登山も子どもと一緒に!アウトドア専業メーカー製の軽量ベビーキャリーを徹底テスト

AI要約

アウトドアブランドの軽量ベビーキャリーは、親にも子供にも配慮した細かな機能が充実しており、低山ハイキングに最適。

著者が実際に背負って試したドイター、マックパック、オスプレー、モンベルの4つのブランドの軽量モデルを紹介。

日本向けの軽量モデルなど、各ブランドの特徴や使用感を比較しており、お父さんやお母さんにおすすめのアウトドアアイテム。

登山も子どもと一緒に!アウトドア専業メーカー製の軽量ベビーキャリーを徹底テスト

最近ブームの低山ハイキング。「子供と一緒に出かけたい!」という人も多いだろう。そこでおすすめなのが、アウトドアブランドの軽量ベビーキャリーなのだ。

◆親にも子にも配慮した細かな機能に注目

「風生君のパパさん、いったいそれはなんですか!?」

 

息子がまだ小さかったころ、僕はモンベルのベビーキャリーに息子を入れて保育園の送り迎えをしていた。よその家は送迎にはたいてい電動ママチャリかベビーカーを使っていたから、本格的なフレームパックを背負っているとすごく驚かれた。

「もしかして、それで登山とかもするんですか……?」

「はい! 近所の裏山もアルプスもこれで行きます。けっこう快適に歩けるんですよ」

 

そういって背負わせてあげると、ほとんどのお父さん、お母さんが感動してくれた。一般のベビー用品店でもベビーキャリーは売っているが、どれも大きくて重かったり、背負い心地に難があるものが多いのだ。

 

その点アウトドア専業ブランドが作る製品は「軽さと背負いやすさ」を徹底的に追求している。軽量素材の採用はもちろん、トルソー(背面長)調整システムやハーネスの形状、長時間歩行時の荷重分散から雨天対策まで、じつによく考えられている。正直に言ってベビーブランドとはレベルが違うのだ。

 

中でもドイツの「ドイター」、ニュージーランドの「マックパック」、アメリカの「オスプレー」、そして日本の「モンベル」はこの分野の四天王といってもいい。今回はこの4社の製品のなかでも日本人向きの軽量モデルを一堂に集め、背負い心地を試してみた。

 

ちなみにベビーキャリーはだいたい首が据わる生後6か月ぐらいから4歳ぐらいまで使うので、じっさいに8~16㎏の荷重を積んで背負い比べている。

 

僕の息子はこの春に小学生になり、もう背中に背負ってハイキングをすることもなくなっちゃったけど、あの楽しさと多幸感はまじでプライスレスだ。

 

だから可愛い盛りのちびっ子がいるお父さん、お母さん、ぜひともこれで一緒にアウトドアを楽しんでください。

◆圧倒的な涼しさと安定性!待望の軽量モデルが登場

ドイター/キッドコンフォート アクティブ ¥44,000

 

ドイターは世界で初めてTUV認証のチャイルドキャリーを開発したメーカーであり、安全性はお墨付き。本作はその安心はそのままに機能をシンプルにして約2.7㎏まで軽量化している。背面には同社が得意とする通気性の高いベンチレーションシステムを備え、暑い夏の低山でも快適に歩ける。

●重量:2,680g

問い合わせ先:イワタニ・プリムス

振り出し式の脚。操作感は硬いがその分安心だ。

3Dメッシュは涼しいだけでなくクッション性も良好。

子供用スペースの両側もシースルーメッシュ。

ジッパーがなく、簡単に放り込める荷室が便利。

◆高い位置で背負えるから大きな子でも軽く感じる

マックパック/ポッサム  ¥51,700

最大の特徴はパック全体がくさび型シェイプになっているので、重心が高くかつ体に近い位置にあること。ちょうど「おんぶ」をしたときと同じ感覚で背負え、しっかり肩のハーネスに荷重が乗る。また子供が寝てしまったときも後ろにのけぞらず親側に持たれるようになるから安定感があった。

●重量:3,050g

問い合わせ先:ゴールドウイン・カスタマーサービスセンター

脚を広げると後ろに傾き、子供を乗せやすい。

背骨に沿ってしっかりしたアルミ製のフレームが入っている。

子供の脚を鐙に固定して左右のバタツキを防ぐ。

レインカバーはパック全体を完全に包み込む構造(別売り)。

◆独自のボックス形状がいい!収納時は薄くコンパクトに

オスプレー/ポコLT ¥39,600

4本の脚が常時つっぱっている、ボックス形の構造が特徴。背負っているときも地面に置いたときも常に同じ状態にあり、余計な操作が不要で、積み降ろしが簡単にできるのがいい。ボックス形状ゆえに重心が遠くて後ろに引っ張られる感じはあるが、この単純さは大きな魅力だと思う。

●重量:2,310g

問い合わせ先:ロストアロー

使用時は常に脚が出た状態になり折りたためない。

箱形で安定しているので、子供の出し入れが楽だ。

ペシャンコにたためるので、スマートに持ち運べる。

シンプルで取り扱いやすいサンシェードが付属。

◆日本のお母さんにも背負える軽くてコンパクトなモデル

モンベル/ベビーキャリア ¥24,640

ひと言でいうと「日本のお父さん、お母さんが求めているすべてを凝縮した製品」。一番の魅力は軽さ。2番目は安さ。そして3番目は日本ブランドらしい細かな気遣い。ヨダレまみれのパッドをはずして洗えたり、首の据わらない幼児のための首パッドを標準装備したり、さすがモンベルなのだ。

●重量:2,350g 

問い合わせ先:モンベル・カスタマー・サービス

軽い力で操作でき安定感も◎。女性にもおすすめ。

ショルダーハーネスまでカバーするレインカバー(別売り)。

スリットに差し込むだけで使えるサンシェード。

サイドパネルがフルオープンするので乗せやすい。

◆なんと"肩車キャリー"もある!

ミニマイス/G4 ¥30,800

子供はみんな肩車が大好き! だけど後ろにひっくりかえる危険があるし、両足を掴んでいないとならないから、お父さんも不自由だ。それを解決したアイデア製品がこちら。しっかりしたハーネスに胴体と脚が固定できるのだ。

脚をしっかり固定できるから安心して歩ける。

●重量:1,500g

問い合わせ先:エムエスジャパン

※構成/ホーボージュン 撮影/中村文隆

(BE-PAL 2024年6月号より)