【闘病】「原因不明」続きで医師に精神病も疑われた「好酸球性胃腸炎」とは
1128shioriiさんは、好酸球性胃腸炎というアレルギー性の疾患を抱え、診断までに長い苦しみを経験した。
医師の治療方針や薬物治療に対して悩みを抱えた1128shioriiさんは、薬漬けの状態に不安を感じることもあった。
治療の限界に直面し、薬の効果が継続せず副作用が出る中、苦悩を経て次の対処法を模索しなければならない状況に置かれた。
病気の症状の原因が、菌やウイルスという場合もありますが、私たちの生活になくてはならない「食べ物」ということもあるようです。
1128shioriiさん(仮称)は、好酸球性胃腸炎の診断がつくまでに数年かかり、そこからアレルゲンとなる食べ物が特定されるまでにも大変な経験をしたといいます。そんなこれまでの経験を詳しく話してもらいました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年5月取材。
[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
編集部:
最初に不調や違和感を感じたのはいつですか? どういった状況だったのでしょうか?
1128shioriiさん:
2013年の秋です。社会人として働き始めて数か月が経った頃、よく聞くような胃腸炎のような症状がおこり、吐き気、食欲不振、倦怠感、腹痛などが続いたため、近くの胃腸内科へかかりました。
もともと胃腸は強い方だったので、突然の症状に驚きましたが、「ウイルス性の胃腸炎かな」と思い、気軽に病院を受診しました。
編集部:
受診から、診断に至るまでの経緯を教えてください。
1128shioriiさん:
胃腸内科にかかり、レントゲン検査や尿検査がありましたが目立った異常はなく、ウイルス性の胃腸炎との診断を受け、内服薬を処方され、十分に休養するように指示されました。
しかし、薬を飲み切っても回復せず、むしろ悪化しているように感じたため、今度は母にも付き添ってもらい同じクリニックを再受診しましたが、それでも「異常なし」と診断され、付け加えるように、「最近若い子の精神からくる胃腸症状が増えているので、精神科を紹介しましょうか?」と言われました。
編集部:なにか思い当たることはあったのですか?
1128shioriiさん:
自分で考えても、親から見ても精神的に追い込まれる状況ではなかったので、精神科の紹介はお断りして、当時別の不調で受診していた大きな病院で検査をしてもらうことにしました。
編集部:
そこではどのような診断でしたか?
1128shioriiさん:
アレルギー科を受診して検査を進めると、「好酸球性胃腸炎の疑い」と説明を受けました。ただ、「好酸球浸潤」が軽度だったこともあり、その場で確定診断を付けることは難しいと言われ、経過を診ることになりました。
その間も、腹痛・吐き気・下痢・倦怠感は延々と続き、本当に苦しかったです。その後2014年の夏、正式に診断が始めて付きました。
編集部:どんな病気なのでしょうか?
1128shioriiさん:
「好酸球性消化管疾患(好酸球性胃腸炎)」は簡単にいうと、遅延型のアレルギー性の胃腸炎と認識しています。特定のなにかにアレルギー反応をおこして免疫が反応し、自分自身の組織を誤って攻撃してしまうという免疫異常の疾患です。
それにより、腹痛、便秘、下痢、嘔吐、腹水、食欲不振などさまざまな症状を引きおこします。私の場合は、腹痛、下痢、嘔吐、血便、めまい、倦怠感などが続き、家から外へ出ることさえ困難になりました。
編集部:
どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?
1128shioriiさん:
やっと診断がついたのですが、当時の治療は、新薬だったゾレアの皮下注射や、アドレナリン注射、ステロイドパルス療法やステロイド薬の内服など、薬物治療が中心で、どんどん薬漬けになる気がしました。
薬で痛みは一時的に引くものの、効果が継続するわけではなかったことに加え、副作用が膨大にあったことも悩みでした。2016年の1月、3度目の入院の後、突然「これ以上の治療は難しく、薬も副作用が心配だからこれ以上は処方できない」と告げられました。
少しの間でも痛みを楽にしてもらえる薬さえもなくなったらどうなってしまうのだろうかと途方に暮れました。