ひと手間かけよう！！ ドラムブレーキ効き具合や操作性が良くなるメンテ
旧車のドラムブレーキは、内部が見えずメンテナンスが難しいが、70年代後半以降のモデルでは残量表示指標がある。そのため、分解メンテナンス時には周辺も含めて確認することが重要。
ブレーキシューの減り具合や内輪の摩耗が問題となる場合があり、内面研磨や交換が必要になることもある。また、ブレーキカムの作動性も確認し、必要に応じて調整することが重要。
ドラムブレーキのメンテナンスは細かな作業が必要だが、正しく行えば効きや耐久性を確保できる。定期的な点検とメンテナンスを怠らず、安全を確保しよう。
袋とじになっているかのような構造のドラムブレーキ。ディスクブレーキとは違って中身が見えず、ブレーキシューの減り具合も、分解してみないとわかりにくいのが旧車のドラムブレーキだろう。70年代後半以降のドラムブレーキモデルには、シュー残量を明示するインジケータがブレーキカムに取り付けられているため、現状のブレーキシューコンディションを把握しやすい。しかし、ドラムブレーキ全盛時代の旧車の場合は、なかなかわかりにくいのが本音なので、分解時には、周辺も含めてメンテナンス実践するのが良い。
文/Webikeプラス たぐちかつみ
メンテナンス実践したモデルのブレーキパネルには、四角いインジケータ表示らしき枠があるが、ブレーキカム部分に「残量表示指針」が取り付けられていなかった。分解メンテナンス時に取り外してしまったのか？もしくは、そもそもこのモデルの製造タイミングが端境期で、すべての部品が組み込まれていなかったのか？ブレーキシューには新品部品を用意していたので交換するが、分解したドラムブレーキに組み込まれていたシューは、まだまだ使える残量(半分程度残っていた)だった。
ブレーキドラムの内側には鉄製のリングが鋳込まれていて、そのリングへブレーキシューが押し付けられることで制動力が増す仕組みだ。ブレーキシューが減るのは当然だが、シューとの相性によっては、ドラム内輪も摩耗してしまう。減り具合を確認しつつ内輪にサンドペーパー(240番)を掛けて、クリーニングしておこう。摩耗が激しく凸凹になっている際には、内面研磨によって真円度は取り戻せる。ブレーキの効き具合も復活可能だが、、過大な摩耗の場合は、最悪でブレーキドラム=ハブ本体を交換しないといけないケースもあるので知っておこう。
ブレーキシューをドラム内輪へ押し付けているのがブレーキカムの役割だ。このカム軸の作動性が悪くなると、ブレーキシューの引き摺りを起こしてしまうことになる。引き摺りが発生すると、シューの摩擦表面がドラム内面に常に接触している状態になり、シュー表面が焼けてブレーキの効きが悪くなってしまう症状が発生する。そのため、ドラムブレーキを分解したときには、カム軸の作動性を必ず確認点検しておこう。渋い時には不織布シートなどで擦り合わせが必要だ。雨水の侵入防止でオイルフェルトと呼ばれるフェルト布のリングが、パネル側のカム軸孔に組み込まれているかも確認しよう。
