まるで鳥の巣！宿泊できるツリーハウス露天風呂 有馬温泉・御所別墅（ごしょべっしょ）で非日常体験
旅は日常から脱出する絶好の機会を提供し、今回は有馬温泉街から離れた山手の避暑地に位置する「御所別墅」を紹介。
10棟の離れ客室の中には、プライベートツリーハウス温泉「CORVO DE OURO」があり、部屋の中から別世界の有馬温泉の“金泉”を楽しめる。
山の中のツリーハウス露天風呂で、有馬温泉の源泉から湧き出る贅沢な時間を過ごす。
旅は日常から脱出する絶好の機会でもあります。長い休みは取れないけれど、1泊でもとびきりの別世界へ行ける温泉宿を見つけました。今回の温泉宿「御所別墅（ごしょべっしょ）」は、有馬温泉街の喧騒（けんそう）から離れた山手の避暑地、かつて外国人専用の清水ホテルがあったところです。
深い渓谷に面した森に10棟の離れが点在し、別荘のようにくつろげます。その離れ客室のひとつに、プライベートツリーハウス温泉「CORVO DE OURO（金のカラス）」があります。部屋の中から扉を開けば別世界、有馬温泉の“金泉”に満たされたツリーハウス露天風呂が目の前に出現します。
■連載「楽しいひとり温泉」は、国内外の温泉をめぐり、温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する筆者が、テーマごとにひとり温泉にぴったりなお宿を紹介します。
とても現実の世界とは思えなくて、しばらく頭の中が混乱してしまいます。まさか、部屋の内風呂のドアの外に、こんな鳥の巣ができているとは……。しかも、露天風呂を満たしているのは、有馬の名湯「金泉」です。ツリーハウス温泉はその名のごとく、森の木の上につくられています。
「コルボ・デ・オウロ」（金のカラス）は、有馬温泉の始まりの神話である、大己貴命（おおなむちのみこと）と少彦名命（すくなびこなのみこと）の2神が、3羽のカラスが湧き出た泉で傷を癒やしていたのを見て、薬効高い温泉を発見したことに由来します。有馬の金泉は地球内部の「マントル」によって熱せられたお湯が湧く、特別な成り立ちのパワフルな温泉です。
湯につかると、鳥の巣にすっぽりと包まれたような安堵（あんど）感。木の上ですから、風に揺れる木々も野鳥の声もより近くに感じられて、ここが日本だということを忘れてしまいそうです。泉質は、含鉄－ナトリウム－塩化物強塩温泉、海水よりも濃い塩の温泉で、湯に身をゆだねると自然に体が浮いてきてしまうほど。鉄分、炭酸ガスも含有し、体の芯まで温めて血行を促進、気持ちよく発汗してスッキリします。
