本質を見抜けるのは被害者になったとき…「自己愛性パーソナリティ障害」の恐ろしさ

AI要約

疎遠になる友人関係が多い理由や友情を保つための努力についてのアンケート結果を通じて解説。

友達との関係を構築する上で気をつけるべきポイントについて、漫画『怖いトモダチ』からの事例を交えながら考察。

登場人物のルミンが起こす人間関係の葛藤や問題を通じて、友人関係における信頼や誠実さの大切さを示唆。

本質を見抜けるのは被害者になったとき…「自己愛性パーソナリティ障害」の恐ろしさ

子育て世代の「暮らしのくふう」を紹介するkufuraが実施した「友達」に関するアンケートによると、「これまでに友達と疎遠になったことはあるか?」という問いに、約9割が「ある」と答えている。疎遠は「よくある」「たまにある」を合わせると、64%と過半数を超える。

アンケートでは、疎遠になったきっかけについては触れてはいないが、「友情を長続きさせるために、努力していること」の回答から、原因は推測される。

「相手を思いやる」(28歳女性/その他)

「悪口で話題をつくらない。否定をせず同調する」(53歳女性/主婦)

「マイナス面は大目に見る」(59歳男性/その他)

「相手の長所を見る」(69歳男性/会社経営・役員)

「金は貸さない」(33歳女性/会社経営・役員)

思いやる気持ちを忘れたり、悪口を触れ回ったり、相手を批判ばかりしていれば、関係が悪くなるのは当然だ。また金の切れ目は縁の切れ目という言葉もある。

では、以下2つについてはどう感じるだろうか。

「言いたいことはきちんと言う」(38歳女性/出版・マスコミ関係)

「何でも話しすぎないこと」(27歳女性/主婦)

ある女性をめぐるさまざまな人の思惑と言い分が交錯する『怖いトモダチ』(岡部えつ 原作・やまもとりえ 漫画 / KADOKAWA)を読むと、悪魔のような「トモダチ」に取り込まれないために、上記の2つがいかに大事かがよくわかる。

なぜなら、漫画に登場する「馬場さん」は、相手を信用し、「話しすぎ」てしまったために、大切にしていたものを奪われる。さらに、「言いたいこと」を言えず、相手の剣幕に押され、不本意にも謝罪させられた。

馬場さんが心を許してしまった「トモダチ」、それは人気エッセイストの中川ルミンである。

5月から続く連載の第12話では、前話でルミンにすべてを奪われた馬場さんとの一件を、ルミンの視点で語る。

ルミンは「みんなで幸せになるため」のオンラインサロンを主宰し、そこには4桁を超えるメンバーが集う。ひとりひとりのメンバーの悩みに寄り添い、ポジティブで聡明なアドバイスを与える姿勢には、熱烈な信者も多い。

だが彼女が書くブログの中身と、その周囲の人物の記憶には相違がある。

中学時代のいじめ事件では、酪農家の娘の沙世ちゃんは同級生の「牛の糞臭い」という一言をきっかけにからかわれ、不登校になった。

ルミンは、そんな同級生たちを戒め、自分が発案して書いた手紙によって、沙世ちゃんは学校に来られるようになったと、自身のブログ「ルミンの小部屋」に書いている。

けれど「牛の糞臭い」を発した同級生は、実はルミンにけしかけられて言ったことで、しかも沙世ちゃんは学校に来ることなく、ルミンが手紙を渡しに行った翌日、自殺未遂を起こしたと話す。

また婚約者のいる彼と略奪婚したルミンは、彼の父が経営する会社に関わろうとするが失敗。彼への興味を失うと、東京の文芸教室に通うようになり、慰謝料をもらって離婚した。

その東京の文芸教室で出会ったのが、馬場さんである。

前話では、馬場さんを「すごい人」「プロ志向」と持ち上げたルミンに、心を許してしまった馬場さんが、これまで大切にしていた小説のアイデアを話したことから、ルミンに剽窃され、それでも本人に抗議ができずに、結局文芸教室をやめることになった顛末をお伝えした。

一方、馬場さんのアイデアを盗み、書いたものをいち早く教室の先生に見せて、「馬場さんが真似した」という既成事実を作り上げたルミン。

馬場さんがくやしさに耐えかねて、教室の友人に剽窃されたことを話すと、その友人に般若のような一面を見せて脅し、さらに馬場さんを責め立て謝罪を要求した。

そして自分はのうのうと教室の中心人物となって、毒舌の先生にも可愛がられ、ファンを増やすルミン。

12話では、馬場さんとの一件をルミンがどう伝えているか、ブログ「ルミンの小部屋」より紹介する。