オバマ元大統領を社会貢献活動へと導いた、知られざる“妹コンプレックス”

AI要約

フロイトによれば、若い母親の第一子として生まれた子どもは、万能感に満ちた自信を育みやすいという。

長子に特徴的な性格は、優しさや面倒見の良さであり、世話好きで思いやりがあり、愛情豊かな性格になりやすい。

長男に生まれることは、しばしば特別扱いを受け、成功やリーダーシップの可能性が高まる一方、現実性を欠いたり、過干渉になるリスクもある。

オバマ元大統領を社会貢献活動へと導いた、知られざる“妹コンプレックス”

きょうだい(兄弟・姉妹)といつも比較されて育った。嫉妬や怒り、憧れをおぼえる。特別扱いされていると感じる。きょうだいのために我慢してきた……。少しでも当てはまると思ったあなたは、「きょうだいコンプレックス」を抱えているかもしれません! 精神科医、岡田尊司氏の『きょうだいコンプレックス』の一部を抜粋してご紹介します。

フロイトによれば、若い母親の第一子として生まれた子どもは、万能感に満ちた自信を育みやすいという。若い母親は、膨らんだ期待や願望を、ありったけの愛情とともに、わが子という特別な存在に注ぎ込むからである。フロイト自身、父親の二番目の妻として迎えられた若い母親の第一子で、溺愛されて育った。

後年、フロイトが世の厳しい批判にあいながらも、揺るぎない自信をもって未踏の領域を切り開いていくことができたのも、幼い頃、母親から無条件に肯定された体験が核となっているのだろう。

とはいえ、フロイトは、家族の中では長子ではなかった。異母兄がすでに二人いたからである。生まれた順位よりも、愛情の順位の方が影響が大きいということだろうか。

何番目に生まれようと、長男に生まれることは、しばしば特別扱いを生み、長子と同じような傾向を帯びやすい。長年待望されていた場合など、その傾向が強まる。

一番であろうとするため、大きな夢や野心を抱き、大きな成功を手にすることもある一方で、幼い頃ちやほやされた名残で、見通しが甘く、地に足がつかないところがあり、非現実的な夢物語で終わってしまったり、せっかくの成功を調子に乗って台無しにしてしまったりする。

もう一つ、長子に特徴的な性格は、優しさや面倒見の良さである。特に弟や妹の面倒をよく見たという人は、世話好きで思いやりがあり、愛情豊かな性格になりやすい。良い模範となり、下のきょうだいを指導する機会が多かった場合には、リーダーシップや指導力を身に付けやすい。反面、世話を焼きすぎたり、仕切りすぎたり、支配的になったり、過干渉になりやすいところもある。