家で暴れた息子への対応は?中学受験、ピリピリした「本番直前」に親ができること

AI要約

中学受験をしているわが子の強みについて保護者が明確に答える難しさ

中学受験に挑むことの素晴らしさと親のエゴについて

夫婦の役割分担や子どもとのコミュニケーションについて

家で暴れた息子への対応は?中学受験、ピリピリした「本番直前」に親ができること

 中学受験をしているわが子の強みは何か~そういわれて、明確に答えられる保護者はどれくらいいるだろうか。

 大手進学塾サピックスが文部科学省の「学校基本調査」と森下教育研究所のデータから、2023年度の首都圏の中学校受験者数は4万3000人と発表した。

 中学受験という試験に「挑む」ことは素晴らしいことだが、それぞれの家庭や子どもが違うように「中学受験をしないとならない」ということでは決してない。

大切なのは、「周りが受験しているから」ではなく、「子どもがどうしたら幸せになるか」「子どもがどうしたいか」だろう。

 「勉強嫌いの息子の中学受験は、完全に親のエゴでした。でも最後に『中学受験をしてよかった』という息子の言葉を聞いてホッとしています」

こう語るのは、森将人さん。慶應義塾大学を卒業した元大手証券ディーラーだ。

 どのように「親のエゴ」と感じたのか。そして子どもとどのようにコミュニケーションを取り、「やってよかった」という言葉が出てきたのか。

森さんが率直につづる連載第7回は、6年生の1月。本番直前でナーバスになり、母子でトラブルがあった時のエピソードをお伝えする。

 東京の中学受験は、「天王山」と言われる2月1日を筆頭に、多くが2月に行われる。その前に、埼玉や千葉などの学校や地方の学校の東京受験などを1月に受験することが「前受け」という。

 慶応を第一志望、立教新座を第二志望にしていた森さんの息子の孝多くん(仮名)は、無事に前受け校に合格した。過去問も合格ラインを超えていた。しかし実は過去問は答えを写して点数がよかったことが判明する。

そして再び森さんの妻と孝多くんが衝突、森さんが帰宅すると、孝多くんが暴れて家はぐちゃぐちゃになっていた。果たしてそこから森さんはどうするのか。本番直前に子どもの強みをどのように伸ばしていくのか。

 中学受験における夫婦の役割分担は、家庭によってさまざまだ。わが家では、スケジュール管理や勉強時間の配分はぼくが決めることが多い。リビングで隣の席に座り、可能な限り質問に答えられるようにしておくのもぼくの役目だ。

 どんな質問でも答えられるわけではないが、ひと通り受験を経験しているので、基本知識やテスト対策は押さえているつもりだ。孝多は一人で勉強を進めるのは心もとないので、誰かがついてあげることで安心して勉強できる。

 受験対策で妻が担当するのは、計算や漢字、社会理科の知識問題などのルーティーンだ。勉強の相手をしてもらうことはあっても、孝多が妻に算数の解き方を訊くことはない。「ママは音大出身で本格的な受験を経験していない」という気持ちが、勉強を教えてもらう意識を妨げているのかもしれない。