ブラームスが盟友と作り上げた『ヴァイオリン協奏曲』。初演者はもちろん……【クラシック今日は何の日?】

AI要約

ヨーゼフ・ヨアヒムとブラームスの盟友関係について。

ブラームスの唯一のヴァイオリン協奏曲が生まれた経緯と初演について。

ヨアヒムの貴重なアドバイスを受けて誕生したブラームスのヴァイオリン協奏曲の評価について。

ブラームスが盟友と作り上げた『ヴァイオリン協奏曲』。初演者はもちろん……【クラシック今日は何の日?】

難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。

今日6月28日は、ブラームス(1833~97)の盟友として名高い、ヨーゼフ・ヨアヒム(1831~1907)の誕生日です。

当代随一のヴァイオリニストとして活躍したヨアヒムの業績の中でも、一際高く評価されているのが、ブラームスの『ヴァイオリン協奏曲』の初演者であることです。

ドイツ・ロマン派を代表する作曲家ブラームスが残した唯一のヴァイオリン協奏曲が書かれたのは1878年。ブラームス45歳の年でした。創作活動の頂点にあったブラームスが同曲を手がけるきっかけは、避暑地バーデン・バーデンで、ブルッフの『ヴァイオリン協奏曲第2番』を弾いたサラサーテの演奏に感銘したからだと伝えられます。

盟友ヨアヒムからの貴重なアドバイスを受けながら完成した作品の初演は1879年1月1日。カデンツァの作曲を手がけた名手ヨアヒムのヴァイオリンと、ブラームス自身が指揮するゲヴァントハウス管弦楽団の演奏によって披露されたこの曲は、ベートーヴェン&メンデルスゾーンの作品とともに、“3大ヴァイオリン協奏曲”のひとつに数えられる名作となったのでした。

一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。