【大学ランキング】大阪大は初の100億円超え産学連携で京都大を上回る 増える外部資金の受け入れ

AI要約

大学の重要な研究資金源である外部資金が増加傾向にある中、大阪大学が共同研究費で100億円を超え、産学連携において京都大学を上回っている。大阪大学の外部資金は、企業との連携が強く、COVID-19パンデミックによる影響もあって変動している。

大阪大学は共同研究講座や協働研究所の設置などを通じて産学共創に注力しており、2022年度には共同研究件数が過去最高になったことが外部資金受入額に大きな影響を与えた。

産学連携の重要性が高まる中、大阪大学の外部資金獲得額は今後も注目される。

【大学ランキング】大阪大は初の100億円超え産学連携で京都大を上回る 増える外部資金の受け入れ

 大学の重要な研究資金源のひとつとなっている外部資金。近年、大学と民間企業などの産学連携は拡張傾向にあり、外部資金の受け入れも増加傾向がみえる。では、実際、各大学はどれほどの外部資金を獲得しているのだろうか。「受験偏差値だけに頼らない大学評価」をコンセプトに、編集部の調査・収集データに基づき作成した『大学ランキング2025』(朝日新聞出版)では、「外部資金ランキング」として、各大学の共同研究費と受託研究費、奨学寄付金の受け入れ状況を掲載している。今回、その一部を紹介する。

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■大阪大は100億円を超え、産学連携で京都大を上回る

 大学と企業がさまざまな形で連携して最先端研究取り組む、いわゆる産学連携の進み具合を知るためには、外部資金受け入れが活発かどうかを見るといい。研究を測る指標として論文、研究費、権威ある賞の受賞などがあるが、研究費や論文などでほとんどのランキングで1位東京大、2位京都大だ。

 そのなか、共同研究費での大阪大2位は健闘といっていい。京都大よりも企業との結びつきが強い。大阪大の外部資金は2022年に107億9798万7000円となり、初めて100億円を超えた。19年は98億円8825万7000円だったが、20年約95億円、21年は約92億円と下降線をたどっている。これはコロナ禍の影響で企業の収益が落ち込み、大学と連携する余裕がなかったからだろう。

 大阪大は100億円を超えた背景をこう記している。

「産学共創の場として大型の共同研究講座や協働研究所を設置し、2018 年には 学内外をつなぐ中核組織として共創機構を立ち上げるなど、産学連携と研究成果の社会実装に注力してきました。着実に連携が進む中で、2022 年度は共同研究講座などの組織対組織の大型の共同研究が109件と過去最高になったことなどが、今回の共同研究費受入額に大きく影響したと考えられます」(大学ウェブサイト)