【発達障害の思春期女子】14歳で初潮を迎えた自閉スペクトラム症の子は不安で外出できなくなったことも。親が教えるべき知識と生理用品の準備の仕方は?

AI要約

女性の生理は健康の指標であり、子宮や卵巣から作られる女性ホルモンが重要な役割を果たす。

自閉スペクトラム症の子供も生理に慣れるのに時間が必要であり、不安や困難を伴うケースもある。

生理中の不安を取り除くためにはナプキンの使い方や外出の練習を通じて段階的に慣れさせることが重要。

【発達障害の思春期女子】14歳で初潮を迎えた自閉スペクトラム症の子は不安で外出できなくなったことも。親が教えるべき知識と生理用品の準備の仕方は?

わたしが運営していた放課後等デイサービスのLuce(ルーチェ)では、生理は「女性の心身の健康のバロメーター」と伝えていました。子宮や卵巣から作られる女性ホルモンは女性の身体にとって「心身の健康を保つ」ためにとても重要な役割をします。

もし、子宮や卵巣が無くなってしまったら、ホルモンバランスが崩れ、更年期障害の症状に見られるようにな動脈硬化、骨粗しょう症のリスクが高まるだけでなく、感情や精神にも影響を与えます。周期的に生理が来る事は身体の健康の指標の一つとして重要です。生理が定期的に来ることは、妊娠の為だけではなく女性の心身の健康を保つために必要なものであることを、知っていてほしいと思います。

自閉スペクトラム症の子の多くは「変化」が苦手です。体の変化も同様で、「生理」に慣れるのに時間が必要なケースもあります。

私の見てきた子の中で生理中は外出が一切できなくなった子がいます。この子は14歳で初潮を迎えましたが、自分の経血量やどれくらいの期間続くのかイメージがつかないために不安になり。生理期間は学校にも行けなくなってしまいました。

まず、お母さんにお願いして、経血量別にナプキンを用意してもらい、生理期間の1週間の中でナプキンのサイズと自分の経血量に合わせた使い方を具体的に決めました。

初日から中盤から終盤にかけて、と経血の量に応じたナプキンを使い分けることを教え、慣れていくことで少しずつ不安の取り除く事をしていきました。家でできるようになったら、まずは生理の終盤にさしかかった5日目ごろから保護者と一緒に慣れた場所から外出の練習を始めました。

■動きやすいトイレ選びも重要

最初に選んだのは行き慣れている比較的近くにあるデパートです。身体の動かし方が不器用な子にとって、狭いコンビニなどのトイレより、キレイで広く落ち着けるスペースは安心材料の一つになります。なので、ホテルのトイレを使うこともおすすめです。外出先でもきちんとナプキンを取り換えられるという成功体験を積み重ねていきました。出かける前に安心して使えるトイレの場所のチェックは必須でしたが、徐々に経血量の多い1,2日目も外出できるようになりました。

不安が強いお子さんの場合には無理強いをせず、本人の気持ちに寄り添うことが大事です。この子の場合、生理中の外出に不安がなくなるまでに2年という期間が必要でした。