天皇陛下「再会」の旅路で旧交温め、感謝お伝えに 「あの時期をとても楽しみました」 天皇、皇后両陛下ご訪英同行記(3)

AI要約

天皇、皇后両陛下のご訪英3日目となる24日、日英友好団体主催のレセプションが開催され、天皇陛下が留学時代の知人たちと再会し、懐かしい思い出を語られた。

陛下はかつてオックスフォード大で留学し、そこでの交流を大切に思っていることが伝えられた。また、亡くなった警護官の遺族に対しても感謝の気持ちを表された。

留学時代の友人たちとの再会を通じて、陛下の人間性や友好的な姿が垣間見える記事である。

天皇陛下「再会」の旅路で旧交温め、感謝お伝えに 「あの時期をとても楽しみました」 天皇、皇后両陛下ご訪英同行記(3)

「加藤節雄さんですよね」

天皇、皇后両陛下のご訪英3日目となる24日、ロンドンのホテルで行われた日英友好団体主催のレセプション。日本と英国の友好親善に尽力した関係者ら、およそ400人の熱気に包まれた会場で、天皇陛下は、オックスフォード大留学中に知り合ったフリージャーナリストの加藤節雄さん(83)にこう、声をかけられたという。

「まさか、自分の名前をフルネームで覚えていてくださるとは」(加藤さん)。短時間の会話だったが、加藤さんが陛下の留学当時、同行取材をしたことに触れると、陛下は「あの時期を、私はとても楽しみました」と懐かしまれたという。

「陛下にとって、留学は人生の中で本当に大切なご経験だったのだと改めて感じました」。加藤さんは、そう話した。

■皇后さまのお気持ちも

陛下がオックスフォード大に留学されていたのは、昭和58~60年。今回のご訪英は、陛下が濃密な時間を過ごされた留学時代の知人との旧交を温める、「再会」の旅路にもなっているように感じる。

23日には宿泊先のホテルで、日本にゆかりのある英国人らとご面会。その中に、オックスフォード大のアーサー・ストックウィン名誉教授がいた。

英語で行われた主なやりとりは、次のようなものだった。

「私たち、お会いしたことがありますよね。ずいぶん前に」。ストックウィン氏がほほえみをたたえながら、ちゃめっ気たっぷりにあいさつすると、陛下は「お会いできてとてもうれしく思います」と心を込めて応じられた。

陛下はご留学時代、ストックウィン氏と交流があり、同氏のセミナーに参加したこともあったという。陛下とは別の時期にオックスフォード大に留学していた皇后さまも同氏と面識があり、陛下は「くれぐれもよろしくお伝えくださいと話していました」と、体調をみて出席を控えられた皇后さまのお気持ちも伝えられた。

■亡くなった警護官への感謝

取材の入る場所とは別に、プライベートな空間で静かに行われたご面会もあったようだ。

宮内庁によると、陛下は24日夕方、留学時代の警護を担当した2人の英国人警護官のうち、ロジャー・ベーコン氏(故人)の夫人と、宿泊先のホテルで私的に面会されたという。英国政府を通じて面会の申し出があり、陛下のお気持ちにより実現した。