Mrs.GREEN APPLEのMV炎上は他人事か? 疑問の声が上に届かない「組織の病巣」

AI要約

ロックバンド「Mrs.GREEN APPLE」の新曲「コロンブス」のミュージックビデオが人種差別的だとして大炎上し、お蔵入りとなる。バンドは謝罪コメントを発表しているが、周囲の対応が遅れたことが問題化。

日本国内外で報道されたこの騒動から、企業や組織における不祥事対応の問題も浮き彫りになっている。組織内での意見の届け方や決断の遅れが問題視されている。

現代のスピーディーな社会においては、疑問や不祥事に対する迅速な対応が求められており、周囲の声を適切に取り入れることが重要だ。

Mrs.GREEN APPLEのMV炎上は他人事か? 疑問の声が上に届かない「組織の病巣」

 ロックバンド「Mrs.GREEN APPLE」の新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(12日公開)が〈人種差別的だ〉などと大炎上した問題。ビデオはすぐに“お蔵入り”。英BBCの電子版など海外のメディアにまで報じられた。バンドの“謝罪行脚”が続きそうな荒れ模様となっている。

「BBCでは、〈世界史を勉強したことのある関係者はいなかったのか〉なんてSNS上の反応も取り上げていましたが、日本国内でも素朴な疑問の声は上がっていましたね。〈誰も公開を止めようとしなかったの?〉というわけです」(スポーツ紙芸能デスク)

 バンドのボーカルとギターを務める大森元貴は〈差別的な表現に見えてしまう恐れがあるという懸念を当初から感じておりました〉なんて“謝罪コメント”を発表していたが、その段階で誰かが止めていれば、騒動にもならなかっただろう。

「オリコンのストリーミングランキングで累積再生数1億回突破が計17曲という人気バンドですから、お金と時間をかけたミュージックビデオにNGを出したり、ドル箱のアーティストに物申せる関係者もなかなか……逆にメンバーが〈待った〉をかけていれば、状況は変わっていたかも」(音楽業界関係者)

■不祥事が起こりやすい体質

 先日、こんなXの投稿がバズっていた。

〈平社員時にまさに(ビデオ問題と)同じことがあったけど自分では作ってる人に直接やめるべきですとは言わず、「こういうリスクがあるものが世に出そうですが耳に入ってますか?」と役員にチクったよ 結局お蔵入りになった こういう問題こそ判断は上位層にやらせたほうがいい〉

 今回もそんな臨機応変なスタッフがいればバンドも救われたかもしれないが、そうそう都合よく周囲にいる可能性のほうが低そうだ。

 生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏は「一般企業でもままある話ですが」と、こう続ける。

「現場の疑問の声が上に届きにくい。上下関係ガチガチの昭和的な会社にありがちで、そういう企業ほど社外取締役が社長の知り合いばかりとか、役職別の会議がやたらと多くて、スピード対応ができない。〈何を言っても無駄〉と諦めムードが蔓延していきます。疑問の声もそのまま放置されがちで、そもそも不祥事が起きやすい体質でもありますし、スピーディーな決断が求められる今の時代にもそぐわない組織とも言えます」

 それじゃジリ貧か。