【毎日書評】「犬は怒られてもぜんぜん反省していない」は嘘?本当?

AI要約

犬が人と共に生活してきた歴史から始まり、研究の不足による主観的な情報が広まってきた過去の状況を振り返る。

犬の行動や特性、認知に関する最新の科学的な情報が2000年代以降の研究で急速に進展し、それに基づいて従来の常識が覆されつつある。

本書では、犬のプロが厳選した最新研究結果を通じて、飼い主が知っておくべき犬の行動や特性に関する情報を科学的に紹介している。

【毎日書評】「犬は怒られてもぜんぜん反省していない」は嘘?本当?

犬はもっとも古くから人と生活を共にしてきた動物です。

しかし、身近な存在であるがゆえ行動や認知に関する研究はあまり行われず、それぞれの主観や価値観でその習性は語られてきました。(「はじめに」より)

ドッグトレーナーとして活動する著者による『犬にウケる最新知識』(鹿野正顕 著、ワニブックスPLUS新書)の冒頭にはこう書かれています。

研究が行われてこなかったことについては、もしかしたらなんらかの事情が絡んでいるのかもしれません。しかしそうはいっても、主観や価値観に左右されてきたという事実にはビックリ。そもそも、さまざまな研究が急速に進み始めたのは2000年代に入ってからだというのです。

しかしその結果、かつて信じられていた“科学的根拠のなかった常識”が覆されるようになったのだとか。そして当然、それまでの犬との関わり方やしつけ方は大きく見なおされるようになったのだといいます。

そのため最近では、科学的根拠に基づいた新しい情報に触れる機会も増えてきたそう。しかし、それ以前の状況を念頭に置けば、新たな情報が多くの飼い主にきちんと浸透しているとはいいがたくもあるようです。

そこで本書において著者は、前著『犬にウケる飼い方』(ワニブックスPLUS新書)の内容をさらに深め、飼い主が愛犬と交わるうえで知っておくべき「犬の行動や特性、認知に関する最新の情報」だけを科学的な研究結果を交えながら紹介しているわけです。

当然ながらそれらは、犬のプロの目で厳選された知られざる最新情報ばかり。とはいえ難しい内容ではなく、100種の情報が1見開きで1項目ずつ紹介されているので、楽しみながら、そして共感しつつ読み進めることができるはずです。

では、知られざる最新情報とはどのようなものなのでしょうか? きょうは第1章「衝撃の『犬』真実」のなかから、2つのトピックスをピックアップしてみたいと思います。