パリではじめての梅干し作りに挑戦!そのゆくえは......

AI要約

日本人海外在住者の手作りレベルが上がっている理由について述べられている。

日本にいる間と海外で生活する間の食べ物の手作りの違いについて説明されている。

海外在住者が普通に手作りする日本食材についての実例が述べられている。

パリではじめての梅干し作りに挑戦!そのゆくえは......

フランス人のホントのところ ~パリの片隅日記~

パリと日本を行き来するブロガー、シロが、日々の暮らしから垣間見えるフランス人の意外な一面を紹介。

これはフランスに限ったことではないのだが、海外に住む日本人は"手作り"のレベルが上がっていくと思う。

それはもちろん「もう作るしかない」と袋小路に追い詰められた人間が取る自然な行動であって、日本にいたときどんなに料理下手であったとしても関係ないように思う。日本では当たり前のようにあったものが日常生活から消え、ある日「限界を超えた」かのように、自分の手を動かして作り始める。そこにはなんだか言葉にできない衝動というか、眠っていた原始的な力が呼び起こされるような感覚がある。たいそうな言い方をしてしまったが、まあどうしても食べたかったら人間なんとか頑張って作っちゃうぞということだ。

海外在住者の手作りレベルとは、ひとことで言えば、常軌を逸している。少なくとも私のように料理とまったく縁のなかった人間からすればそうだ。豆乳、豆腐、味噌、醤油、塩麹、甘酒、納豆、アジのひらき、かつお節など、自分で作ることができるとは考えもしなかったものばかりを当然のように手作りするのだ。

しかし、それらはすべて天上人の話であり、私のように日本にいる間「うどんはどうやって茹でたらいいのかナ?」などと別の意味で猛者だった人間には当てはまらない。ただそのように包丁すらほとんど握ったことがなかった私でも、海外で生活し始めると、あっという間に麻婆豆腐を作るようになり、鶏がらスープからラーメンを作り、肉まんすら作るようになる。煮込み料理や揚げ物もするし、訪問用に持っていくチーズケーキやタルトも焼ける。

それらも私にとっては立派な「一から作った」手作り料理であるのだが、味噌や甘酒など「その日の皿」ではないものは、また別のレベルにあると感じる。ある時、ふと立ち寄ったちょっと大きめのスーパーでのこと、果物コーナーで私の目が釘付けになった。