夫の死後、5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ”

AI要約

佐藤さん一家が突然税務署から相続税についての書類を受け取り、驚きとパニックに陥る。

税務署は相続人の死亡届を受け取ると自動的に死亡の事実を把握し、相続税申告を求める仕組みがある。

亡くなったことを隠してもバレる可能性があり、相続税に関する甘い考えは通用しない。

夫の死後、5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ”

 「いきなり税務署から『相続税についてのお尋ね』っていう書類が届いたんです!」

 慌てて私の事務所に駆け込んできたのは、埼玉県に住む佐藤さん(仮名)ご一家。

 よくよくお話を聞いてみると、半年前に突然お父様を亡くされ、相続人は奥様とお子様2人の合計3人。葬儀と四十九日が終わって、遺品の片付けもひと段落してほっと一息着こうと思っていた矢先、突然税務署から前述の「相続税についてのお尋ね」という書類が届いたとのことです。

 普段、税務署から連絡など無い佐藤さんご一家は、慌ててインターネットで相続専門の税理士を探し出し、私たちの事務所に駆け込んでこられたのです。

 「お父さんが亡くなったことをどうして税務署が知ってるんですか? 誰にも亡くなったことを言ってないのに。税務署から送られてきた封筒の中を見たら、亡くなった日もちゃんと書いてあって。誰かに家を見張られているようで、家族一同怖くてパニックになりました」

 佐藤さんがびっくりするのも無理はありません。実は、税務署は「いつ、誰が亡くなったのか」を自動的に把握する仕組みを持っているのです。その仕組みとは、通称「ゴッパチ」と呼ばれている相続税法第58条のことで、この条文には次のように記載されています。

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相続税法第58条

市町村長その他戸籍に関する事務をつかさどる者は、死亡又は失踪に関する届書を受理したときは、当該届書に記載された事項を、当該届書を受理した日の属する月の翌月末日までにその事務所の所在地の所轄税務署長に通知しなければならない。

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 つまり、相続人が死亡届を役所に提出すると、自動的に役所から税務署に死亡の事実が伝えられる仕組みになっています。このため、亡くなったことを税務署に知らせず、相続税の申告をしなくても黙っていればバレない、という甘い考えは通用しないことになります。