見落としがちな初夏の熱中症!「見えづらい暑さ」の落とし穴を気象予報士が解説

AI要約

初夏の熱中症についての注意点。子どもは地面近くで暑さを感じやすく、車内は高温になりやすい。

気温が上がる初夏には油断大敵。大人が感じる気温と子どもが感じる気温に差があり、車内は特に高温になりやすい。

水分補給を十分にし、車の利用時は注意が必要。

見落としがちな初夏の熱中症!「見えづらい暑さ」の落とし穴を気象予報士が解説

日に日に気温が高く日ざしも強くなっていく季節、暑いことは暑いけど、青葉もきれいだし湿度も低くて、すがすがしい暑さに感じます。ところが、初夏の暑さには、真夏にはない落とし穴があって油断大敵。

今回は、気象予報士・防災士として活躍する植松愛実さんに、今だからこそ気をつけたい初夏の熱中症の注意点を教えてもらいます。

天気予報で「今日の気温は〇℃です」や「明日は〇℃になるでしょう」と説明される気温は、気象庁が全国のアメダスと呼ばれる観測所で測る気温を基準にしています。それらの気温計は、地面から1.5mくらいの高さに設置されていますから、だいたい大人の顔あたりで感じる気温と同じです。

一方で、晴れて暑い日、地面そのものはより高温になり、空気の温度は地面に近ければ近いほど高いという状況に。

つまり、大人が感じている温度よりも、背が低くて地面に近い子どもが感じる温度のほうが高くなってしまうのです。

これがもし真夏であれば大人の高さも十分暑いので、自然に水分補給などの行動に結びつきそうですが、今の時期だと大人が「初夏の気持ちよい暑さ」を感じて油断している横で、子どもは「真夏のような暑さ」の中にいる可能性が…。「見えづらい暑さ」に油断大敵です。

密閉されているにもかかわらず窓から日ざしがしっかり入るような空間は、非常に効率よく温度が上がり、外の気温よりも圧倒的に高くなることがあります。密閉かつ日ざしが入る…そう、車の中はまさにその条件に当てはまってしまうのです。

たとえ外に気温が20℃そこそこであったとしても、野外に駐車された車の中は50℃くらいまで上がることがありますし、一番熱されやすいダッシュボード付近は70℃くらいまで上がることがあります。

とくに、近年増えているSUVタイプの車は窓が広いものが多く、さらに効率よく日ざしを取り入れることになるので、車を利用する日はふだんよりも水分補給の回数を増やすのがおすすめです。