だれでも読書スピードが4倍速になる…医学博士が認めた「脳科学的に正しい速読」5つのポイント

AI要約

読書スピードを速くするためには、オープンマインド・リーディングという新しい読書方法を取り入れることが効果的だ。この方法では、従来の音読などとは異なり、脳の各部位に刺激を与えて右脳の力を引き出すことを目指す。

オープンマインド・リーディングを行うことで脳が瞑想状態になり、情報処理効率が上がるとされる。さまざまな手法を組み合わせることで、脳の使い方をシンプルにする読書法を身につけることができる。

オープンマインド・リーディングの手法を実践する際は、気楽に、テキトーに、がんばらない姿勢が重要だ。さまざまな手法を試しながら、最終的には無意識に実践できるようになると、読書スピードが飛躍的に向上するだろう。

読書スピードを速くするにはどうすればいいのか。速読スクールを運営するヨンソ氏は「集中して文字だけを追う読み方は実は効率が悪い。音や匂いなどに気を散らせたほうが、脳の情報処理効率が上がる」という――。

 ※本稿は、ヨンソ(著)、伊藤吉賢(監修)『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■頭の中で音読する読書方法は脳に負担が大きい

 オープンマインド・リーディングとは、「左脳のブレーキを解除して、右脳のアクセルを踏む」読み方を実践するための手法です。

 一般的に、音読によって本を読んでいる人は、脳の様々な部位に負担をかけて読んでいます。それでは、思考ノイズや脳疲労が邪魔をして、右脳のパワーを引き出すことができません。

 いわば脳が閉じた状態が、一般的な音読による読書なのです。

 そこで、オープンマインド・リーディングの出番です。閉ざされた脳を「開いて」、右脳の力を開花させる読み方です。

 オープンマインド・リーディングでは、脳を構成する4つの部位(前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉)に同時に刺激を与えます。

 それにより、従来の脳全体を使った読書法から、右脳中心の、無駄を省いたシンプルな読書法に切り替えることを目指します。

 継続すれば、効率よく読書できるようになるモーターラーニング(運動学習)が起こりやすいと考えています。

 本記事では、オープンマインド・リーディングの手法のうち「(1)本のページ全体を視野に入れて読む」「(2)読書している部屋(風景)全体を意識しながら読む」「(3)聞こえる音に耳を傾けながら読む」「(4)衣服や気温、においや味に注意を向けながら読む」「(5)上級編・メタ認知で読む」の5つについて紹介します。

■意識を分散させれば脳が瞑想状態になる

 オープンマインド・リーディングをすると、脳の全部位にまんべんなく刺激を与えることができます。

 すると脳は思考ノイズが鎮まって、よけいな空回りをしなくなり、ある種の「瞑想状態」になっていると私は考えています。究極の「リラックス状態」です。「読む」という行為1つに集中するのではなく、さまざまな方面に意識が「分散」している状態ともいえるでしょう。

 最新の脳科学の研究では、脳が瞑想状態(脳波がリラックスしているときに示すシータ波の状態)になると、情報処理の効率が上がり、高速で入ってくる情報を無理なくキャッチできるようになると報告されています。

 このようにオープンマインド・リーディングは、右脳のアクセルを全開にし、脳の使い方をシンプルにする読み方なのです。

 もちろん、これらの手法はすべてを同時には行えません。時と場合によって手法を選択するのがよいでしょう。

 1つずつ試していきながら、最終的にさまざまな手法を同時並行で行うようにしてみてください。

 普段の読書でも、ここで紹介するコツを無意識に実践できるようになれば、読書スピードは今の4倍を超えるでしょう。

 合言葉は、「気楽に」「テキトーに」「がんばらない」です。

 〈1:本のページ全体を視野に入れて読む〉

 本の文字に視線を集中させるのではなく、周辺視野に意識を分散させ、ページ全体を視野に入れながら読むようにします。

 目を本に近づけすぎず、30~40センチほど離した位置にすると、ページ全体を感じながら読みやすいです。

 ページ全体に意識を向けるのが難しければ、最初のうちは読んでいる行の次の行、そのまた次の行くらいまで「眺める」意識を持つと良いでしょう。それに慣れてくると、ページ全体に意識を向けやすくなります。

 意識を向けるとは、内容をインプットすることではありません。「なんとなく視えている」くらいで問題ありません。

 狙いは、「一点に集中」するのではなく、四方八方に分散させること。すると、先に書かれていることまで広く「先読み」でき、直感が100%働き出すようになります。