《今から備える》“梅雨だる”どうしてなる?対策は? 薬剤師が解説する

AI要約

梅雨時期に起こる“梅雨だる”の主な原因は、自律神経の乱れと水分代謝の低下である。

気圧や気温の変化によって自律神経が乱れ、体調不良を引き起こすことがある。

湿度の高さによる湿邪が水分代謝を低下させ、梅雨だるの症状を引き起こすこともある。

《今から備える》“梅雨だる”どうしてなる?対策は? 薬剤師が解説する

例年6月上旬ころから始まる梅雨。この時期特有の気候の変化は、体のだるさや頭痛、めまい、関節痛、むくみなど、“梅雨だる”の症状を引き起こす。薬剤師の山形ゆかりさんによると、早めの対策をすることで体調不良を改善できるという。そこで、梅雨だるが起こる原因を漢方医学の考え方で解説してもらうとともに、予防・解消のための食事や漢方薬について教えてもらった。

* * *

梅雨だるの主な原因は2つあり、気圧・気温の変化による自律神経の乱れと水分代謝の低下が挙げられます。

◆気圧・気温の変化による自律神経の乱れ

梅雨だるの症状である、だるさや疲れなどが起こるのは自律神経の乱れが主な原因です。自律神経は、交感神経と副交感神経の2つの神経がバランスをとることで、気圧や気温の変化に対処し、体調を保っています。

たとえば、気圧の変化によって体にかかる圧力にあわせて、自律神経が血管の膨張または収縮をして太さを調整し、気圧による圧力を体の内側から押し返しています。しかし、天候が不安定で気圧の変化が大きくなる梅雨時期は、自律神経に負担がかかり、調整機能が乱れやすくなります。

また、晴れの日と雨の日の激しい寒暖差が繰り返されることは体にとってストレスとなり、やはり自律神経の乱れにつながります。

加えて、雨が多い梅雨の時期は気圧が低くなりやすく、低気圧の状態では体をリラックスモードにする副交感神経が優位になります。体を休ませようとして血圧や脈拍の低下、体力や気力の減退、眠気の誘発などが起こるため、だるさを感じたりやる気が起きなくなったりしやすくなります。

◆水分代謝の低下

むくみや頭痛、めまい、消化器系の不調といった梅雨だるの症状は、体内の水分代謝が低下し、余分な水分がたまることで起こります。水分代謝が低下する原因は、梅雨の時期の湿度の高さです。

漢方医学では、梅雨の時期の湿度の高さを「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。湿度が高いと体内に余分な水分をため込みやすく、体が冷える原因となり、むくみや頭痛、めまいなどの不調を引き起こすと考えられています。

湿邪は消化器にも影響を与え、食欲不振や消化不良、下痢なども起こりやすくなります。そのため、消化器系の不調も湿邪による梅雨だるの症状に当てはまります。