「走りはまさに、究極のグランドツーリング」 モータージャーナリストの佐藤久実がベントレー・コンチネンタルGT Sほか5台の注目輸入車に試乗!

AI要約

モータージャーナリストの佐藤久実さんがエンジン大試乗会で試乗した5台のガイ車について述べています。アウディQ8スポーツバックからランドローバー・ディフェンダー110 V8まで、それぞれの印象や魅力が詳細に説明されています。

試乗した車両の特徴やエンジンのパフォーマンス、内装の豪華さなどが丁寧に描写されています。また、同乗したEPC会員との会話やクルマに乗る喜びについても触れています。

各車両に対する乗り心地やスタイリッシュさ、豪華さ、実用性の観点からの評価が含まれており、読む者にクルマへの愛情や興味を呼び起こす内容となっています。

「走りはまさに、究極のグランドツーリング」 モータージャーナリストの佐藤久実がベントレー・コンチネンタルGT Sほか5台の注目輸入車に試乗!

モータージャーナリストの佐藤久実さんがエンジン大試乗会で試乗した5台のガイ車がこれ! アウディQ8スポーツバック 55eトロン、ベントレー・コンチネンタルGT S、BMWアルピナXB7、キャデラック・エスカレード、ランドローバー・ディフェンダー110 V8に乗った本音とは?

◆気分が上がる

毎年1月下旬に開催される本試乗会。寒い時期だけれども晴天率が高く、今年もまた良いお天気に恵まれた。青空の元、冷たくキンと澄みわたる空気の中、キャラに富んだいろんなガイシャのステアリングを握るだけでも気分は上がる。そして昨年からのコンテンツであり個人的には初となるEPC会員との同乗。人見知りの私はどんな会話をしたら良いのだろう、何を聞かれるのか、ちょっと不安な面もあったけれど、杞憂でした。もうね、今日から「モータージャーナリスト」を名乗れるんじゃないかってくらい、クルマが好きで、詳しくて、話し好きで、意見も持っていて。3台持ちで並べるとボディ・カラーがトリコロール・カラーになる方とか、2年半待ちの納車を心待ちにしている方とか。そして、改めて、仕事とはいえ、こんなにも素敵なクルマ達に乗れる私は恵まれており、シアワセであることを実感した1日なのでした。

◆アウディQ8スポーツバック 55eトロン・クワトロSライン「ホッコリとして元気が出る」

クーペライクなルーフラインを持つ“スポーツバック”は、アウディ最上級のQ8のボディサイズでもイカつさよりスタイリッシュさが際立つ。運転席に乗り込みスターター・ボタンをオンにすると、まもなくステアリング・ヒーターが温まり、冷えた手を温めてくれる。1月下旬の寒い中、こんなおもてなしを受けるとホッコリとして元気が出る。いざ、走り出すと、電気のパワフルな加速と滑らかさ、そして静粛性が印象的。ラグジュアリーなクルマはいろんな点でEVとの相性が良い。EVのネックである航続距離も500km以上あるから安心だし。

さて、このクルマの助手席に同乗頂いたEPC会員の方は、イタ・フラ車3台持ちの濃ゆ~い「ラテン系」好きな方。この日は憧れのイタリアン・スポーツカーの助手席に乗れることを楽しみにきたとのこと。ジャーナリストはいろんな新車に乗れて羨ましいと言われ、「美味しいものを知ってしまう辛さ」もあるものの、日々、好きなクルマに囲まれ元気をもらえるのは恵まれていると、改めて実感したのだった。

◆ベントレー・コンチネンタルGT S「どこまでもドライブしたい」

36台のクルマが集う会場においても、すぐに見つけ出すことができる存在感。流麗ながら華奢ではなくマッシブなリヤフェンダーが力強い走りをイメージさせる。また、ディテールのブラックがスポーティな印象。

インテリアは、チャコールとボルドーの2トーンカラーのレザーが使われるが、“赤”を上品な色味にしているのがさすがだ。そして、Sなのでウッドではなくカーボン・パネル。運転席に座った瞬間からゴージャスな雰囲気に包まれるが、排他的な感じや嫌な圧はなく、とても居心地が良い。そして走りはまさに、究極のグランドツーリング。スポーティ志向のコンチネンタルGT Sは、このままどこまでもドライブしたいと思わせるパフォーマンスと快適性を兼ね備える。

このクルマの“元気の源” はどこかって?

それはもう、ベントレーのコンセプトそのものが「ウェルビーイング」だから、ロング・ドライブでも疲れるどころか運転が楽しく、気持ちよく、快適で、どんどん元気にしてくれる。コト体験に向かう道中、クルマから元気をもらえるなんて最高だ。

◆BMWアルピナXB7「走ればやっぱりアルピナ」

意外にもアルピナが手がけるSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)セグメントは、このXB7が初という。もともと“これ見よがし”ではなく、洗練されたデザインでBMWとの差別化を図っていたが、このセグメント故か、知る人ぞ知る、という感じの控えめなのが印象的だ。試乗車は、インテリアにもアルピナのトレードマークであるブルーとグリーンのステッチは見受けられず、ヘッドレストに同色でロゴが入っていたり、クリスタル仕様のギヤセレクターがあったりという感じ。だがしかし、走ればやっぱりアルピナ。ハイパワーで、ラグジュアリーかつフラットライドな乗り味に仕上げられている。

奇しくも、同乗されたEPC会員の方は、D3ツーリングの納車待ちだという。試乗経験があるので、「期待を裏切る心配はありませんよ」とお伝えしたが。長納期ではあるが、待ち焦がれる時間も楽しんでおられるようだ。アルピナの話題に留まらず、難しい質問も投げかけられたりしたがクルマ談義に花が咲き、大いに元気を頂いた。

◆キャデラック・エスカレード「乗員みんながハッピー」

今回担当した試乗車はすべてビッグサイズのクルマばかりだったが、最後にドカーンと超弩級が登場。全長5mオーバー、全幅2mオーバーのこれぞアメリカンと言わんばかりのフルサイズSUV、エスカレードは存在感抜群。運転席に座ると、インパネ部にはトータル38インチ(!)のLEDディスプレイがレイアウトされる。センター・コンソールには冷蔵庫も。レザー・シートは質感高く、フロント・シートはヒーター、ベンチレーション、マッサージつき。2列目はキャプテンシート、そして3列目も狭さや視界の悪さなどに虐げられることなくちゃんと居住空間が確保されている。さらに、ウルトラビュー・パノラミック電動サンルーフが装備され、3列目でも閉塞感がなく、どのシートからもパノラマビューを満喫できる。

1列目から3列目まで、乗員みんながハッピーでいられる上質で広々した室内にいると、ファミリーや仲間との行った先でのコト体験はもちろんのこと、車内の「移動時間」そのものを楽しめることが容易に想像でき、元気をもらえそう。

◆ランドローバー・ディフェンダー110 V8「ライフスタイルそのものが元気の源」

一見して「タフさ」が伝わってくるディフェンダー。そして、クルマにとって、デザインがいかに大事かを実感する。まず見た目が気に入らないと、居住性はどうだろう、走りは楽しいかなって、その先の興味に進まないから。丸目ライトのフロントマスクはちょっとファニーフェイスなのに、垂直基調のスタイルは逞しく、でも、ちゃんとバランスされている。室内に入ると、タンレザーのインテリアが広がる。上質さがあり、快適でありながらシンプルで、過剰な豪華さがない絶妙なバランスが“ランドローバー”ブランドらしさを物語っている。

野太いサウンドでトルキーなV8エンジン、逞しいボディにふんわりした乗り心地の走りも快適だ。デザインもさることながら、本格的オフロード性能を備えるオールラウンダーとしての魅力も高い。

こんなクルマがガレージにあったら、天候など気にせず、いつでもどこへでも出かけられる。日常はもちろん、旅行やキャンプ、海や山へも。そんなライフスタイルそのものが、“元気の源”になりそう。

文=佐藤 久実

(ENGINE2024年4月号)