3年でLTVが135%伸長! チュチュアンナが実践する顧客戦略と施策事例

AI要約

新規顧客の開拓が難しい昨今は、顧客との継続的な関係性構築が欠かせない。LTV(顧客生涯価値)向上の重要性が高まっており、チュチュアンナがLTV向上の取り組みを実施し、成功を収めている。

チュチュアンナは、創業50周年を迎えるレッグウェア、インナーウェア企業であり、LTV、カスタマーシェア、シームレスの3つの重点戦略を展開している。

顧客調査や顧客層の定義を通じて、ファンを大切にする取り組みやブランドへの理解を深め、お客様により役立つブランドになることを目指している。

3年でLTVが135%伸長! チュチュアンナが実践する顧客戦略と施策事例

新規顧客の開拓が難しい昨今は、顧客との継続的な関係性構築が欠かせない。そのため、顧客が企業と継続的に取引を行うことにより、もたらす価値や利益を示す指標である「LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)」が注目されている。

チュチュアンナでは、全社でLTV向上の取り組みを実施し、LTV135%伸長という結果を導き出した。「デジタルマーケターズサミット 2024 Winter」にチュチュアンナの西岡和也氏が登壇し、従来のCRM施策に留まらない、物づくり、店づくり、人づくりの視点で取り組む戦略や施策、LTV向上に効く施策やデータやアプリ活用の事例を紹介した。

 

1973年8月に創業し、創業50周年を迎えるチュチュアンナはレッグウェア、インナーウェアの製造・小売り販売を行う企業だ。2024年現在、国内に265店舗、海外に199店舗を展開しており、年間売上は250億円。現在、重点戦略として次の3つを掲げている。

・ ライフタイムバリュー(以下、LTV):すべてのお客様のLTVをあげていくための仕掛けづくり

・ カスタマーシェア:靴下や下着といった幅広いアイテムを1人のお客様に多く購入いただくことで1人当たりのシェアを上げていく

・ シームレス:店舗や通販、卸業などさまざまなチャネルがあるが、どのチャネルで購入いただいても同じようなブランド体験ができるブランドにしていく

重点戦略の3つを掛け合わせ、お客様の生涯に渡って役立てるブランドになることを目指している。西岡氏の部門ではファンを大切にする取り組みを重要視しており、その取り組みを紹介する。

 

まず紹介されたのは、2年前に行われた顧客調査だ。調査対象は自社アプリの会員と、外部リサーチ会社のモニターを使い、チュチュアンナで購買体験がない・ブランドを知らない人も含めた1,500名で、ウェブでアンケートを行った。

顧客層の定義をあらかじめ決めて調査を実施。定義した顧客層が以下の図だ。顧客層をロイヤル層と一般層に分け、さらにロイヤル層と一般層を、積極的と消極的に分け、顧客層を4段階に定義した。非顧客層は離反層、未購入層、非認知層に分類している。顧客層の定義を決めて調査を行うことで、チュチュアンナというブランドに対して、どの層がどのくらいいるのかの可視化に取り組んだ。