【iOS 18新機能レビュー】マップアプリの新しい登山・ハイキング向け機能は日本国内でも利用可能

AI要約

iOS 18/iPadOS 18のマップアプリでは、登山・ハイキング向けの機能が強化され、カスタム登山ルートの作成や等高線表示が可能になっている。

カスタム経路の作成やダウンロード可能な地図データなど、便利な機能が追加されているが、ただし十分な情報がなく、慎重に利用する必要がある。

さらに、緊急時に役立つ衛星経由の緊急SOS機能も紹介されており、安全に登山するための情報が提供されている。

【iOS 18新機能レビュー】マップアプリの新しい登山・ハイキング向け機能は日本国内でも利用可能

 iOS 18/iPadOS 18では標準の「マップ」アプリの登山・ハイキング向け機能が強化されていて、登山道の「カスタム経路」を作成したり、等高線を表示できるようになった。地図データの追加というローカライズを伴うので、「どうせ米国だけなんでしょ?」と思わせておいて、利用可能地域は米国と日本の2カ国となっている。

 iOS 18のマップアプリでは、登山ルートの入り口、いわゆる登山口がランドマークとして表示される。それをタップすると、「カスタム経路を作成」という項目からカスタム経路を作成できる。ただしこれ、対応している登山口からしか「カスタム経路を作成」は使えないようだ。双眼鏡マークの景勝地からカスタム経路を作れる場合もある。

 カスタム経路の作成画面では、登山道にウェイポイントをタップで指定することで、自分だけの登山ルートを作成できる。作成した登山ルートは、地図データごと保存することが可能だ。

 地図データは200MBとかを超えてくるので、空き容量には注意が必要だが、登山中は圏外になることが多いので、ダウンロードしておくのをおすすめしたい。地図データのダウンロードはiOS 17でも可能だが、iOS 18では登山ルート機能と連携するのは実用的だ。

 ただしこの機能だけで登山するのはオススメできない。

 上のスクリーンショットは、富士山の「須走口五号目登山口」から「富士山頂上 山口屋」まで、途中のウェイポイントを設定せず作成したルートだ。途中までの直線的なルート、これは須走ルート名物の「砂走り」と呼ばれるエリアで、フカフカな砂地なため、降るときは走るように降れるのだが、登りルートとしては不向きだ。

 あとこのルート、3時間36分とか表示されているが、かなりの健脚でないと、このタイムで登るのは難しいはずだ。この時間で登れることを前提にスケジュールを組むと、下手をすると山頂あたりで日没を迎えて遭難することになる。

 この「マップ」アプリ、登山情報としては詳細なものではないので、これだけでルートとスケジュールを作るのはオススメできない。ルート選定やスケジュール作成には、ヤマケイでお馴染みの山と渓谷社(インプレスグループ)など、ちゃんとした登山情報を参照しよう。

 あと登山となると、iPhone 14シリーズ以降が搭載する「衛星経由の緊急SOS」も重要だ。この機能、北米などで先行して使えるようになっていたが、日本でも今夏より使えるようになっている。

 緊急通報のための機能なので、気軽に使うことはできないが、というかそもそもモバイルネットワーク圏外の屋外なんて日常的にはほとんどないので、試そうにも試せないが、「設定」アプリの「緊急SOS」の一番下から、デモを試すことができる。登山に行く人だけでなく船舶に乗る人、山間部での活動が多い人など、モバイルネットワーク圏外で活動するような人は、緊急時に備えて使い方を確認しておこう。