Apple Watchが「睡眠時無呼吸」対応　watchOS 11公開

アップルは17日、Apple Watch用のOS「watchOS 11」を公開した。新たにApple Watch Series 10などにおいて、「睡眠時無呼吸」の兆候を特定する機能が提供されるほか、新しい「バイタルアプリ」や「トレーニング」の強化などが行なわれる。

watchOS 11の最大の特徴は、睡眠時無呼吸の兆候を特定する機能。Apple Watch Series 9、Apple Watch Series 10、Apple Watch Ultra 2で対応し、眠時無呼吸の兆候を検出するため、Apple Watchが正常な呼吸パターンの中断に関連する睡眠時の手首のわずかな動きを加速度センサーでモニタリングし、「呼吸の乱れ」という新しいApple Watchの指標で記録。ユーザーは、ヘルスケアアプリで夜間の呼吸の乱れを確認でき、呼吸の乱れは高いか高くないかに分類され、1カ月、6カ月、1年の期間で表示できる。

ユーザーは、iPhoneのヘルスケアアプリで夜間の呼吸の乱れを確認でき、呼吸の乱れは高いか高くないかに分類される。新しい睡眠時無呼吸の通知のアルゴリズムが30日ごとに呼吸の乱れのデータを分析し、睡眠時無呼吸の兆候が示された場合に、Apple Watchはユーザーに通知する。通知には、睡眠時無呼吸が発生した可能性のある時点、治療を受けることの重要性を説明した学習資料が表示され、3カ月間分の呼吸の乱れのデータ、通知の詳細、医療機関で受診する際に役立つ追加情報が記載されたPDFが含まれる。米国、EU、日本を含む150を超える国や地域で利用可能。

新しい「バイタルアプリ」は、日々の健康状態チェックや、注目すべき夜間の健康指標を一目で確認できる。2つ以上の指標が通常の範囲から外れている場合、ユーザーは通知とともに、これらの特定の指標が、高度の変化、飲酒量、さらには病気など、自身の生活のその他の側面とどのように関連している可能性があるかを詳しく説明するメッセージを受け取れる。

「トレーニング」の負荷は、ワークアウトの強度や時間が長期的にユーザーの体にどのような影響を与えているかを測定するための方法。Apple Watchは、28日間のトレーニングの負荷を算出し、この期間に実施したワークアウトの長さと、新しいエフォート評価で測定したワークアウトの強度の両方を考慮して加重平均で算定する。エフォート評価は各ワークアウト後に利用可能になり、そのワークアウトの難易度を1から10の尺度で記録する。有酸素ベースのワークアウトの種類では、新しいアルゴリズムと複数のワークアウト指標の組み合わせを使用し、推定されるエフォート評価を自動的に生成する。

アクティビティアプリとバイタルアプリでは、直近7日間のトレーニングの負荷が28日間のトレーニングの負荷と比較してどの程度だったのかを「かなり下」「下」「一定」「上」「かなり上」のいずれかに分類された形で確認できる。体への現在の負担が、増しているのか、同程度なのか、和らいでいるのかについて洞察を提供し、それによりユーザーはトレーニングを調整できるi

iPhoneのフィットネスアプリの追加情報では、体の状態の変化の可能性や怪我のリスクなど、現在のレベルでトレーニングを続けた場合にユーザーのフィットネスに及ぼし得る影響について詳しい情報を確認できる。

アクティビティリングはカスタマイズを強化するほか、妊娠中のサポートも機能強化している。ユーザーがどの文字盤からでも重要な情報にすばやくアクセスできる「スマートスタック」はパーソナライズを強化した。

「翻訳アプリ」もApple Watchに対応。ダブルタップジェスチャでは任意のアプリをスクロールできるようになった。「潮位アプリ」や新たな文字盤も追加される。