「iPhone 16」シリーズが発表、iPhone 15シリーズから変わったところ/変わっていないところは?

AI要約

iPhone 16シリーズは、Apple Intelligenceを搭載した新モデルで、ラインアップは前モデルと同じだが、外観やカメラ機能、チップセット、バッテリー駆動時間が大幅に改良されている。

Proモデルはディスプレイが大きくなり、カメラ機能や動画撮影機能が進化しており、バッテリー駆動時間も長くなっている。

iPhone 16シリーズの価格は前モデルと同じで据え置きとなっている。

「iPhone 16」シリーズが発表、iPhone 15シリーズから変わったところ/変わっていないところは?

 新しいiPhone「iPhone 16」シリーズが9月10日(現地時間では9月9日)に発表された。iPhone 16シリーズは、Apple独自の生成AI「Apple Intelligence」のために設計されたiPhoneと銘打たれているが、Apple Intelligenceは米国英語から対応し、日本語に対応するのは2025年以降の予定。

 そこで、ここではApple Intelligence関連の機能以外で、前モデルとなるiPhone 15シリーズと、どこが変わったのか、あるいは変わっていないのかをまとめた。

■ ラインアップ構成は変わらず

 iPhone 16シリーズのラインアップ構成は15シリーズと同じだ。標準モデルの「iPhone 16」、機能はそのままサイズの大きな「iPhone 16 Plus」、Proシリーズの「iPhone 16 Pro」と「iPhone 16 Pro Max」の4機種。

 ストレージ容量のラインアップも変わらず、標準モデルはともに128GB、256GB、512GBの3タイプから選択可能。iPhone 16 Proはこの3タイプに加え1TBも用意されている。iPhone 16 Pro Maxは128GBが用意されない。

 なお、「iPhone 15 Pro」は望遠カメラが光学3倍、「iPhone 15 Pro Max」は光学5倍という違いがあったが、16 Proと16 Pro Maxはともにテトラプリズムデザインの光学5倍となっている。

 16 Proと16 Pro Maxは、サイズによるディスプレイ解像度やバッテリー駆動時間の違いはあるが、それ以外にスペック上で異なる部分は見あたらなかった。

■ 外観が大きく変わった「iPhone 16」シリーズ

 「iPhone 16」と「iPhone 16 Plus」は背面のカメラレンズ周りが大きく変わった。4800万画素メインカメラ、1200万画素超広角カメラの2眼構成はiPhone 15シリーズから変わらないが、iPhone 15シリーズは正方形の土台にレンズが対角線上に並んでいたのに対し、iPhone 16シリーズは細長い長方形の土台に一列に並んでいる。

 この配置になったことで空間写真と空間ビデオを撮影できるようになり、Apple Vision Proなどで奥行きのある映像を楽しめる。超広角カメラでは、マクロの写真とビデオの撮影が可能になっている。

 また、iPhone 15 Pro/Pro Maxで採用された「アクションボタン」が、標準モデルの「iPhone 16/16 Plus」にも搭載された。長押しすることで、消音モードやフラッシュライト、ボイスメモ、翻訳など、様々な機能を起動できる。デフォルトでは着信とサイレントの切り替えになっている。

■ 新たに「カメラコントロール」を搭載

 iPhone 16シリーズには、新たに「カメラコントロール」が本体右側面に配置される。

 クリック感が得られる感圧スイッチ、高精度な感圧センサー、タッチ操作を可能にする静電容量式センサーが組み込まれており、クリックしてカメラアプリを起動、もう一度クリックして撮影、長押しすると動画を撮影できる。軽く押すことでズームなどのコントロールメニューを表示し、指をスライドすることで調整できる。

 カメラコントロールは、今秋、アップデートで2段階シャッターに対応予定。軽く押すとピントと露出が被写体に固定され、ピントをずらさず構図を変えることができる。

 さらに、年内にはGoogleレンズのような機能「ビジュアルインテリジェンス」がカメラコントロールから利用可能になるようだ。長押しすると起動し、対象物に向けてクリックすると、それに関する情報を表示する。

■ Proシリーズはディスプレイが大きく

 iPhone 16 Pro/16 Pro Maxはディスプレイが大きくなった。「iPhone 15 Pro」が6.1インチなのに対し16 Proは6.3インチに。「iPhone 15 Pro Max」が6.7インチなのに対し16 Pro Maxは6.9インチになった。ベゼルはApple製品の中で最も細いという。

■ 最新のチップセットを搭載

 iPhone 16 Pro/16 Pro Maxのチップセットは「A18 Pro」、iPhone 16/16 Plusのチップセットは、iPhone 15/15 Plusで搭載された「A16 Bionic」から1世代飛ばして「A18」を搭載している。どちらもApple Intelligenceを動かすことを想定したものだ。

 前モデルからの性能アップが大きいA18の6コアCPUは、A16 Bionicよりも30%高速で、30%少ない電力で同じ負荷の作業を実行する。A18の5コアGPUはA16 Bionicよりも最大40%高速で、35%効率が向上。iPhone 16/16 PlusでもAAAグレードのゲームを快適にプレイできる。

 また、iPhone 16/16 Plusには再生アルミニウム製の熱伝導率が高い基板を追加し、ゲームに必要なパフォーマンスが30%長く持続するとしている。

 一方、iPhone 16 Pro/16 Pro Maxに搭載されたA18 Proは、第2世代の3ナノメートルプロセスで作られている。前モデルのA17 Proと比べて、同じ負荷の作業を20%少ない電力で、15%高速に処理できるという。

■ Proシリーズは動画撮影が進化

 iPhone 16シリーズは全機種とも、メインの広角カメラが4800万画素Fusionカメラになった。iPhone 16 Pro/16 Pro Maxはともに光学5倍レンズを搭載している。

 また、iPhone 16 Pro/16 Pro Maxは、利用可能な最高の解像度とフレームレートの組み合わせとなる4K 120fpsのドルビービジョンのビデオ撮影が可能になった。

 4K 120fpsでスローモーション撮影し、撮影後、写真アプリで再生速度を調整できる。さらに、iPhone 16 Pro/16 Pro Maxはスタジオ品質の4つのマイクを備え、よりリアルなオーディオ録音が可能だ。

 iPhone 16シリーズ4機種とも風切り音を低減する機能や、ビデオ内での声の聴こえ方を調整する「オーディオミックス」にも対応する。

■ Siri作動時のビジュアルが変化

 細かいところでは、音声認識アシスタントのSiriが作動しているときのビジュアルが変わる。これまでは画面下部に球状のアニメーションが表示されたが、iPhone 16シリーズでは画面の縁が光で囲まれる。

 Apple Intelligenceにより、Siriとのやり取りはより自然になり、文脈も理解してくれるようだ。

■ バッテリー駆動時間が長くなった

 iPhone 16シリーズは、バッテリー容量の拡大や新しいチップセット、電力管理機能による最適化などによりバッテリー駆動時間が長くなっている。特にProモデルで顕著だ。

 iPhone 15 Proのビデオ再生が最大23時間だったところ、iPhone 16 Proでは27時間に。iPhone 16 Pro Maxは最大29時間から33時間へと4時間も長くなっている。

 同様に、iPhone 16のビデオ再生は最大20時間が最大22時間に。iPhone 16Plusは最大26時間だったのが最大27時間になっている。

■ サイズの違い

 標準モデルの本体サイズや重量はほとんど変わっていない。iPhone 16はiPhone15とサイズは変わらないが、重量は1グラム軽くなって170グラムになった。iPhone 16 Plusもサイズは変わらず、重量は2グラム軽くなって199グラムだ。

 ディスプレイが大きくなったProモデルはやや大きく、重くなった。iPhone 16 Proは高さが3ミリ、幅が0.9ミリ長くなった。

 厚さは変わらない。重量は12グラム重くなっている。iPhone 16 Pro Maxは高さが3.1ミリ、幅が0.9ミリ長くなり、重量は6グラム重くなっている。

■ 価格は据え置き

 iPhone 16シリーズの価格は、昨年のiPhone 15シリーズの発売時の価格とまったく同じだ。数か月前は円安でさらに高額になることが心配されたが、ここ最近の円高トレンドが奏功しているのかもしれない。