シーメンス、470億円のデジタル債券をプライベートブロックチェーンで発行──独大手銀と共同

AI要約

シーメンスはECBの試験の一環として、ブロックチェーン上で3億ユーロのデジタル債券を発行した。

債券にはドイツの金融機関が投資し、シーメンスは前回の債券発行経験を基に決済時間の短縮を図った。

この取引はSWIATを介して決済され、金融商品をブロックチェーンに乗せることで透明性や効率性が向上する可能性が示唆されている。

シーメンス、470億円のデジタル債券をプライベートブロックチェーンで発行──独大手銀と共同

ドイツ産業界の大手企業であるシーメンス(Siemens AG)は現地時間9月4日、欧州中央銀行(ECB)による試験の一環として、ブロックチェーン上で3億ユーロ(約477億円、1ユーロ=159円換算)のデジタル債券を発行したと発表した。

今回の債券には、ドイツの大手金融機関であるバイエルンLB(BayernLB)、デカバンク(DekaBank)、DZバンク(DZ BANK)、ヘラバ(Helaba)、バーデン=ヴュルテンベルク州立銀行(LBBW:Landesbank Baden-Württemberg)が投資した。ドイツ銀行(Deutsche Bank)も決済プロセスに参加している。

シーメンスはブログ投稿で、昨年のポリゴン(MATIC)経由による6000万ユーロ(約95億円)の債券発行で得た経験を基にしていると述べた。その際の債券発行では、取引の決済に2日間を要した。

「数分以内の自動処理は、この新技術の大きな可能性を示しており、デジタル・トランスフォーメーションを継続的に行う上で主導的な役割を果たす、という当社の戦略を裏付けるものだ」と、シーメンスのコーポレートトレジャラーを務めるであるピーター・ラスゲブ(Peter Rathgeb)氏は語った。

同社によると、最新となる今回の取引は、プライベートの許可型ブロックチェーンであるSWIATを介して決済された。

シーメンスの債券発行は、債券、クレジット、ファンドなどの従来の金融商品をブロックチェーンレールに乗せる方法を模索している伝統的な金融機関による最新例となる。現実資産(RWA)のトークン化としても知られるこのプロセスは、より迅速で透明性の高い取引決済、コストの削減、効率と透明性の向上など、運用上のメリットが約束される。

先月、CoinDeskは、ドイツ最大の開発銀行であるKfWがBoerse Stuttgart Digital(BSD)と提携し、デジタル債券の発行を準備していると報じた。イタリアの国営開発銀行Cassa Depositi e Prestiti SpA(CDP)と貸付業者Intesa Sanpaoloも7月にPolygonで債券の発行を完了している。この2回の発行とも、ECBの試験的取り組みの一環として行われたものである。

|翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Shutterstock|原文:Siemens Issues $330M Digital Bond on Private Blockchain with Major German Banks Including Deutsche Bank