【サブスクで観るならこの1本!】トム・クルーズ主演!夢と現実の区別がつかなくなった男の恋と人生の行方

AI要約

映画アドバイザーが選りすぐりの一本を紹介するコラム。今回は2001年公開の『バニラ・スカイ』を取り上げる。

若き富豪の苦悩、夢と現実の区別がつかなくなる男の姿を描いた本作。トム・クルーズやペネロペ・クルスなど豪華キャストが出演。

人間の後悔や過ち、心の葛藤を描いた作品。作品を通じて自身の感覚や過去と向き合い、考えさせられる。

【サブスクで観るならこの1本!】トム・クルーズ主演!夢と現実の区別がつかなくなった男の恋と人生の行方

サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2001年公開の『バニラ・スカイ』をご紹介します!

『バニラ・スカイ』(2001年・アメリカ)

(配信: Netflix / U-NEXT)

スペイン映画『オープン・ユア・アイズ』を、トム・クルーズ主演でリメイクしたサスペンス・ドラマ。亡き父から出版社を引き継いだ若き富豪のデヴィッド(トム・クルーズ)。マンハッタンの豪邸で生活し女遊びにも事欠かない彼は、自身の誕生パーティーで運命の女性ソフィア(ペネロペ・クルス)と出会う。そんな中、デヴィッドに思いを寄せるジュリー(キャメロン・ディアス)が車で無理心中を図り、同乗していたデヴィッドは大怪我を負ってしまうのだが……。

事故で顔面が変形して自暴自棄に陥り、夢と現実の区別がつかなくなっていく男の苦悩とその顛末を描く本作。分かりやすいか分かりにくいかで言えば後者に該当する作品であるため、好みは大いに分かれるかもしれない。が、まだ30代の頃の格好良さと美しさが混在するトムを拝める喜びであったり、今では数多くの作品で活躍するティルダ・スウィントンやマイケル・シャノンが脇役として出演している点など見どころはさまざまあり、描かれている人間模様も実は普遍的で入り込める余地は十分ある。

生きていれば誰だって後悔することがあり、その後悔に心が蝕まれてしまうこともある。そんな時ほど思考は良からぬ方へと走りがちで、時に過ちだって犯してしまう。その渦中にあるデヴィッドの姿に、かつての自分や感覚を重ね合わせることができたのなら、途端に作品への評価も変わっていくに違いない。終盤において明らかになる事実を目の当たりにしたとき、あなたの心は何を感じることになるだろう。ぜひご自分の目と心でお確かめください。

(C) 2001, 2023 Paramount Pictures.

※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル

1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。