マイクロストラテジーの成功から学んだある企業のビットコイン投資戦略

AI要約

ハーバート・セムラー氏が設立したセムラー・サイエンティフィックは、多くの現金をビットコインに変え、今後もビットコインを購入する方針を持つ。

同社はマイクロストラテジーを手本とし、ビットコインの戦略を採用。これまでに約929ビットコインを取得しており、資金調達も進める計画。

ビットコイン価格の下落にもかかわらず、セムラー氏は買い進める姿勢を貫き、より多くのビットコインを購入するための資金調達に取り組んでいる。

マイクロストラテジーの成功から学んだある企業のビットコイン投資戦略

朝鮮戦争で飛行外科医として従軍した後、ポートランドの病院で循環器内科を率いた医師のハーバート・セムラー(Herbert Semler)氏が、2007年にセムラー・サイエンティフィックを共同設立したのは、ビットコインが誕生する2年以上前のことだった。

それから17年後、同社は保有する現金の多くをビットコイン(BTC)に変え、さらに多くのビットコインを購入することを目指している。

「彼はとても興奮していた」と、同社会長でハーバート・セムラー氏の息子であるエリック・セムラー氏は、この新しい投資戦略に対する父親の反応について語った。

ハーバート氏の父、エリック氏にとっては祖父であるハリー・セムラー(Harry Semler)氏はかつて、金を素晴らしい投資対象と考えていたため、同社が「新しい金」に投資するのを見れば喜んだろうとエリック・セムラー氏は語った。

96歳近くになるハーバート氏はすでに引退しており、セムラー・サイエンティフィックにはもう関わっていない。エリック氏でさえ、2023年4月に会社のガバナンス問題をきっかけに、より積極的な役割を果たすようになるまで、同社の受動的な投資家でしかなかった。

エリック・セムラー氏が積極に関わるようになって以来、多くのことが変わった。特に今年5月に発表された、財務戦略としてビットコインを採用するという会社の決定がそうだ。

セムラー社は、マイクロストラテジーに倣おうとしている。マイクロストラテジーは、マイケル・セイラー氏のリーダーシップのもと、保有する現金をビットコインに変え始め、現在では約140億ドル相当のビットコインを保有していることで知られている。

「マイケル・セイラー氏の、小規模で株式市場で注目されていない、大量の現金を持つゾンビ企業についてのコメントが、我々取締役全員の心に響いた」とセムラー氏。そこで彼らは、マイクロストラテジーの成功を研究し、その戦略を採用することに価値を見出した。

セムラー・サイエンティフィックは、同社の第2四半期決算報告書によると、これまでに929ビットコインを総額6300万ドル、平均価格で6万8000ドル弱で購入している。

最近の約5万7000ドルへの価格下落により、保有資産の価値は約1000万ドル切り下げられたが、それでも取締役会の確信は変わらないとセムラー氏は述べた。

「何かを強く信じているとき、信念を持っているときは、自分に不利になるようなことがあっても、買い進めなければならない。信念が究極的に試されるのは、20%も割高のときに買って、今は値下がりしているものを買うかどうかだと思う」

さらにセイラー氏の戦略から学び、セムラー氏は資本市場で資金を調達し、はるかに大量のビットコインを購入しようと動いている。同社は6月上旬に1億5000万ドルのミックス・シェルフ・オファリング(資金調達のために、複数の種類の証券を登録し、必要に応じて発行する手法)を申請し、現在SECの承認を待っている。

マイクロストラテジーのような資金調達のベテラン企業は通常、すぐにSECから承認を受けるが、セムラー・サイエンティフィックは小規模な会社であり、この種の調達は初めてのため、承認に時間がかかっている。