ワールドコイン(WLD)、オーストリア首都ウィーンで「Orb」利用開始

AI要約

ワールドコインはオーストリアのウィーンで生体認証デバイス「オーブ」を利用開始し、18歳以上の市民に「World ID」を発行可能にした。

「オーブ」は虹彩をスキャンし個人を識別し、「World ID」を発行。ワールドコインは世界的なIDシステムの構築を目指す。

ワールドコインは暗号資産「WLD」を虹彩スキャンしたユーザーに配布し、ベーシックインカム実現も計画。開発者プレビューも公開している。

ワールドコイン(WLD)、オーストリア首都ウィーンで「Orb」利用開始

ワールドコイン(Worldcoin:WLD)が、オーストリアの首都ウィーンで生体認証デバイス「オーブ(Orb)」を利用開始したことを7月31日発表した。

これによりオーストリアにおける18歳以上の市民は、ウィーンの複数の場所で「World ID」を発行可能になったとのこと。またワールドコインは、オーストリアでのアンバサダープログラムも開始し、地域コミュニティ内でのプロジェクト普及も努めていくという。

なお「オーブ」は、ボール状のデバイスで虹彩をスキャンして、各人それぞれの虹彩の特徴をデジタルコード「虹彩コード(Iris Code)」に変換することで、個人を識別する「World ID」を発行している。これによりワールドコインは世界的なIDシステムの構築を目指しているとのこと。

ちなみに虹彩をスキャンしたユーザーは暗号資産(仮想通貨)「WLD」を受け取れる。また「WLD」の配布により、ベーシックインカム実現も計画されている。

「ワールドコイン」はこれまでスペイン、フランス、ポルトガル、ケニア、インド、ブラジル、香港などの国・地域で活動停止命令がでており、アルゼンチンにおいては罰金が課されている。ただしその一方で虹彩スキャンに登録した人の数は120カ国で400万人を超えている状況だ。

●ワールドコインとは

ワールドコインは、AIチャットボットサービス「ChatGPT」を提供する米オープンエーアイ(OpenAI)のCEOサム・アルトマン(Sam Altman)氏が立ち上げた暗号資産プロジェクト。

今月7日にはワールドコインを支援するワールドコイン財団(Worldcoin Foundation)が、独自ブロックチェーン「ワールドチェーン(World Chain)」のメインネットローンチに先駆け、開発者プレビューを公開している。

これにより開発者は、「ワールドチェーン」のメインネットが正式ローンチされる前に、「ワールドチェーン」上でプロジェクトの構築を開始できるとのことだ。

なおワールドコイン開発元のツール・フォー・ヒューマニティ(Tools For Humanity:TFH)の発表によると、「ワールドチェーン」はイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ブロックチェーンとなるようだ。

また「ワールドチェーン」は、「OPメインネット」開発元のOPラボ(OP Labs)が提供する「OPスタック(OP Stack)」により開発されるとのこと。

「OPスタック」を用いることで、「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用した独自のレイヤー2ブロックチェーンを立ち上げられる。

「オプティミスティックロールアップ」では、正当性の検証方法をレイヤー1(イーサリアム)に提出されるデータはすべて正当なものであるという「楽観的(オプティミスティック)」な前提に基づいて検証を行う手法にて、スケーラビリティを確保している。

なお「ロールアップ」とは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリング技術のことだ。