ソニーが新型カメラ「VLOGCAM ZV-E10 II」発表。ショート動画に最適な縦UIに対応

AI要約

ソニーは新型カメラ「VLOGCAM ZV-E10 II」を発表。予約は7月17日からで、8月2日に発売予定。APS-Cサイズのセンサーや新しい画像処理エンジンを搭載。

画質や撮影機能が向上し、4K60pの撮影やリアルタイムAFなどの機能を備える。縦位置の情報表示にも対応し、縦型動画需要に対応。

ソニーはレンズ交換式カメラに注力し、イメージング事業を堅実的な成長と収益を見込んでいる。VLOGCAMは若年層向けの戦略的なデバイス。

ソニーが新型カメラ「VLOGCAM ZV-E10 II」発表。ショート動画に最適な縦UIに対応

ソニーは7月10日、新型カメラ「VLOGCAM ZV-E10 II」を発表した。

7月17日から予約を開始し、発売は8月2日予定。市場想定価格は本体のみで15万3000円前後。

ZV-E10 IIは、ソニーが2020年5月から展開している日常生活を撮影するのに最適化したカメラ「VLOGCAM」(ブイログカム)シリーズの最新モデルだ。

前機種である「ZV-E10」は2021年9月に発売。発売時の価格は7万8000円前後と10万円を切りつつ、スマホのカメラより非常に大きい「APS-C」サイズのセンサーを持つレンズ交換式カメラとして人気を博した(現在は直販価格8万8000円)。

ZV-E10 IIは後継機として、新しい画像処理エンジンを搭載しつつ、初代機で不満が出ていたポイントを改善したモデルとなる。なお、ZV-E10は継続して販売する。

本機種に搭載されたカメラの心臓部とも言える画像処理エンジンは「BIONZ XR」という、フルサイズベーシック機の「α7 IV」や、同シリーズの兄弟機「VLOGCAM ZV-E1」と同等のものとなる。

イメージセンサーも初代機が約2400万画素だったのに対し、ZV-E10 IIでは約2600万画素に向上。

画像処理エンジンの処理性能アップと合わせて、暗所でもノイズを抑えた撮影や、高解像度・高フレームレートの4K60p(4Kの画質で1秒で60コマの)撮影にも対応している。

また、さまざまな撮影機能が原稿のフルサイズベーシック機である2021年12月発売の「α7 IV」(直販価格37万2900円)と同等になっている。

代表的な例だと色味などを一律に設定できる10種類の「クリエイティブルック」や、人や動物に対応する「リアルタイムAF」、被写体が動いても焦点を合わせ続ける「リアルタイムトラッキング」に対応する。

VLOGCAMならではの要素としては、新しく縦位置の情報表示に対応した。今までも縦動画・静止画の撮影は可能だったが、各種ユーザーインターフェイス(UI)は横表示のままだった。

昨今のショート動画などの縦型動画需要に対応した形になる。

そのほかにも、動画撮影時の電子手ブレ補正機能でより強力な「アクティブモード」や、動画撮影中に焦点を変える時に発生する画角のズレを抑える「ブリージング補正」にも対応する。

ソニーは5月31日に開催した事業説明会で、同社の電化製品全般を扱うエンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)事業について、ZV-E10 IIのようなレンズ交換式カメラやレンズについて高い収益性を持つ領域拡大・収益軸事業と位置付けている。

実際に、カメラ等のイメージング事業は2021年から2026年にかけて通期で+8%の成長を見込むなど、爆発的ではないものの堅実的な成長と収益を見込んでいる。

縦位置UIの対応でも分かるとおり、VLOGCAMはそんな同社の中で、若年層で広がる昨今の動画撮影文化に対応した戦略的なデバイスだと言える。