従業員エンゲージメントを重視した社内SNSツール「TUNAG」を使ってみた

AI要約

従業員エンゲージメントを重視した社内SNSツール「TUNAG」の特徴とレビューが紹介されている。

「TUNAG」はエンゲージメントを高めるためのさまざまな機能を持ち、幅広い企業で利用されている。

記事では、TUNAGの機能や使い方、価格、評価などが詳細に解説されている。

従業員エンゲージメントを重視した社内SNSツール「TUNAG」を使ってみた

従業員エンゲージメントを重視した社内SNSツール「TUNAG」。日常使いのできる業務ツールながら、従業員から自発的に利用したくなるような空間設計をしているのが特徴だ。本記事では、レビューを紹介する。

 リモートワークが普及したこともあり、社内向けのコミュニケーションツールを導入している企業が増加している。とは言え、メールの代わりとして情報の伝達だけに使われているとか、そもそもあまり利用されずに盛り上がっていない、ということも多い。

 

 同時に、少子高齢化が進み、人材獲得コストが上昇傾向にある中で、従業員の離職率や定着率を改善したいといったニーズもある。業務の生産性や顧客満足度を向上させたいというあるあるの悩みも抱えている企業も枚挙にいとまがないだろう。

 

 これらのニーズに応える、従業員エンゲージメントを重視した社内SNSツールが「TUNAG」だ。日常使いのできる業務ツールながら、従業員から自発的に利用したくなるよう設計されている。そこで今回は、TUNAGのレビューをお届けする。

 

業種・業態・規模を問わず導入が進む「エンゲージメントプラットフォーム」

 TUNAGを開発しているのはスタメン。東京と名古屋に本社を構え、従業員数は89名。東京証券取引所グロース市場に上場している。TUNAGは、業種・業態を問わず、幅広い企業で活用が進んでおり、導入企業数は約800社、利用ユーザーは80万人を超える。ディップ(dip)やジャパネットたかた、ヤマハ、いすゞ自動車といった大企業でも利用されている。

 

 同社はTUNAGのことを“エンゲージメントプラットフォーム”と呼ぶが、ここで言うエンゲージメントとは、「会社と従業員および従業員同士の相互信頼関係」のことを指す。互いの信頼関係が築ければ、チームにまとまりが出て、生産性も上がることは間違いない。心理的安全性も高まり、やる気も出る。雰囲気がよければリファラル採用も捗ることだろう。

 

 TUNAGの画面はSNSアプリのようなUIなので、初めて使う人でも取っ付きやすそうだ。ウェブ版に加え、スマートフォンアプリも公開されているので、外出先や現場で働くメンバーも利用できる。

 

●TUNAG(ツナグ):Web / App Store / Google Play

 

会社ごとに必要な「制度」を設計してみんなで活用する

 TUNAGでできることはたくさんあるのだが、その基本となるのが「制度」だ。「制度一覧」画面では、会社からの情報発信や重要な業務、福利厚生の取り組み、社内文化の可視化などにアクセスできる。

 

 試用した環境には、25個の制度が用意されていた。これらは豊富なテンプレートが用意されており、会社側がメニューを設計する。もちろん、“独自の制度”を作成することも可能だ。導入期の初期設定はTUNAGが支援してくれるという。

 

 例えば、「会社を知る」というカテゴリーには「社長のつぶやき」や「役員コラム」「会社からのお知らせ」という3項目が用意されていた。内容はタイトルとアイコンを見ればすぐにわかる。

 

 項目として立っているのでユーザーとしてはとても分かりやすいし、興味を持ちやすい。グループウェアのチャットルームや掲示板でも同じことはできるが、「制度」タブから1タップで開けるのは心理的なハードルが低い。社長の顔写真をアイコンにするのも効果が高そうだ。

 

 「業務申請」カテゴリーでは経費や稟議の申請が行える。TUNAGはコミュニケーションだけでなく、申請のワークフロー機能も備えている。申請の内容によって複数の制度を用意することも可能だ。

 

 試しに、経費申請をしてみよう。制度を開き、「申請する」をクリック。利用目的や利用金額、詳細などを入力し、「申請する」をクリックすればいい。あらかじめ設定されている制度利用者の上長にTUNAGの通知が飛び、承認や差し戻しを行う。スマートフォンアプリからも操作できるので、出先でも対応可能。上長が出張しているからといって、承認フローが止まってしまうこともない。

 

 「マニュアル・規定・ヘルプ」カテゴリーには「業務マニュアル」や「社内規定」があった。マニュアルのページではテキストや画像のほか、参考資料を添付したり、外部サイトへリンクを貼ることもできる。

 

 ユーザーが利用した内容は条件を付けて、タイムラインに公開されるが、例えばご意見箱のような項目では、ユーザーの投稿を非公開にすることもできる。制度の内容に合わせて、柔軟に設計できるのが便利だ。

 

サンクスメッセージで社内の雰囲気がよくなりモチベーションもアップ

 エンゲージメントプラットフォームらしく、サンクスメッセージ(サンクスカード)を送り合うこともできる。サンクスメッセージとは、従業員が感謝の気持ちを相手に伝える仕組みのことだ。

 

 例えば、「●●さん、~のサポートをしてくれて、ありがとうございます」といったメッセージを送る。初めて見ると、それだけ?と感じるかもしれないが、貰った側も送る側も嬉しいので、従業員エンゲージを高められる効果がある。サンクスメッセージを送り合う専用のウェブサービスも多数リリースされているほどだ。

 

 TUNAGでサンクスメッセージを送る場合、「制度」から「サンクスメッセージ」を開いたら、まずはユーザーを選択。表示するカードのデザインを選択したら、カードタイトルとカードメッセージを入力する。

 

 もちろん、サンクスメッセージは感謝する以外にも使える。プロジェクトを成功させたなら「おめでとう!」とか「ナイスプレー!」などと入力すればいい。

 

 オプションにはなるが、「社内ポイント」という機能もある。サンクスメッセージなどを利用したユーザーに社内ポイントを付与できるのだ。利用して欲しい機能に多めにポイントを割り振れば、TUNAGの社内定着を加速することもできる。

 

 付与されたポイントはギフト券に交換できるようにしておけば、利用するモチベーションアップにもつながる。もちろん、自社商品と交換できるようにしてもいいだろう。

 

 また、福利厚生の一環として「TUNAGベネフィット」という機能もある。もちろん企業側の対応が必要だが、例えば、コンビニや牛丼屋のクーポンが利用できるのだ。例えば、牛めし並盛が抽選で当たったり、映画のチケットが500円引きになるといった具合だ。

 

SNSふうタイムラインで社内の情報をまるっと把握できる

 TUNAGのホーム画面は「タイムライン」になっている。FacebookやXのようなタイムラインが表示され、スクロールしていくだけで、皆が何をしているのか、どんなことを考えているのかなど、従業員の行動や投稿などを簡単に把握できる。

 

 いいねのような絵文字を付けられる他、LINEのようにスタンプで返信することもできるので、気軽なコミュニケーションも促進する。普通のグループウェアやSNSと異なり、多種多様なコンテンツが表示されるので、想像より楽しく利用できる。表示方法もカスタマイズでき、例えば、日報はまとめてカルーセル表示することも可能だ。

 

 ユーザーのアイコンをタップすると、プロフィールページが開く。顔写真や名前だけでなく、出身地や性格・行動特性、趣味・特技、好きな映画・アニメ・テレビ・ゲーム、好きなモノ・コト・人など多数の情報を閲覧できる。

 

 遠隔地の拠点で働いている相手でも、TUNAG上で簡単につながれる。最近はリモートワークで出社しないこともあり、人とのつながりが希薄化しているが、楽しくコミュニケーションする間柄であれば、関係性を構築できる。同じ会社で働いていながら、「まったく知らない人」というのは寂しいもの。TUNAGを活用することで、ワンチームになることができるのだ。

 

 そのほか、管理画面のダッシュボーは、ログイン数や制度を利用した数、投稿したコメント数など、コミュニケーションの量やツールの定着率を可視化する。人とのつながりを数値化できるので、人事の課題にいち早く気が付けるだろう。モチベーション低下の兆候を検知できれば、予期しない離職を回避できるかもしれない。

 

 TUNAGは社内報と比べればよりインタラクティブな情報共有が行える。コミュニケーションもできるし、カレンダーやチャット機能もあるので、ある種のグループウェアとも言えるだろう。

 

 ビジネスツールというと、業務効率アップ!SaaS連携機能!といったところが注目されることが多いが、TUNAGは人材にフォーカスを当てて、社内交流を促進させるという点がユニークだった。飲食や小売、運送、介護、製造など様々な業界で利用されているのも納得だ。

 

 価格は初期費用に加えて、利用人数に応じた月額利用料がかかる。最低10アカウントで月額2万5000円からとなる。豊富なオプションも用意しているので、導入を検討する場合はまず問い合わせてみることをお勧めする。

 

文● 柳谷智宣 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp