「Apple Vision Pro」に約60万円の価値はあるのか? 約4カ月間使って“後悔しなかった”理由

AI要約

Apple Vision Proは高額な空間コンピュータで、VRやXRのデバイスとして注目されているが、Appleのコンセプトとしてはより幅広い用途が期待される。

Apple Vision Proは快適な装着感と鮮明なディスプレイを持ち、周囲の空間をリアルに再現することができる。

比較的他のデバイスに比べて見え方のズレが少なく、酔いにくい性能を持っている。

「Apple Vision Pro」に約60万円の価値はあるのか? 約4カ月間使って“後悔しなかった”理由

 Appleの空間コンピュータ「Apple Vision Pro」が6月28日に日本でも発売される。注目度の高い製品がいよいよ日本に上陸するが、何せ「59万9800円(税込み)」と高額だけにためらっている人も多いだろう。

 筆者は2024年2月2日の米国発売時に、ハワイに行って購入した。4カ月ほど使い続けている中で「60万円の価値があるか」を改めて考えてみたい。

 Apple Vision Proは世間的にはVRやXRのデバイスという位置付けで見られているが、Appleとしては「空間コンピュータ」というコンセプトを貫いている。実際、単にバーチャル空間に入ってコミュニケーションやゲームを楽しむというよりも、さまざまなアプリケーションによって幅広い用途が期待できるデバイスだ。単機能ではなく、「次世代のMac」と言った方がしっくりくる。

 Apple Vision Proは頭に装着して使用する。後頭部を支えるバンドは、Apple Watchで腕時計のバンドを手掛けているAppleらしく、しっかりとしたホールド感で着け心地は悪くない。

 ちなみに、普段メガネをしている人がApple Vision Proを装着する場合、オプションの補助レンズが必要だ。またコンタクトレンズはソフトであれば問題ないが、ハードには非対応となっている。

 Apple Vision Proをかぶると最初は真っ暗だが、OSが起動すると目の前が一気に明るくなり周りが見渡せるようになる。もちろん、カメラで撮影した周りの様子を、目の前にディスプレイに表示していることになるのだが、これが実に美しい。まるでリアルに周りを見ている感覚になるのだ。

 Apple Vision Proをかぶった状態で部屋の中を歩いても、机やイスの角に足をぶつけることはない。このあたり、見え方のズレも存在しないようだ。また、長時間装着して、頭を動かしても酔うということはない。筆者はMeta「Quest 3」も経験済みだが、あちらも見え方はきれいなものの、若干のズレを感じてすぐに酔ってしまった。