スマホ充電レンタル、便利なのに大半の人が知らないワケ 「ChargeSPOT」の認知度向上に必要なこと

AI要約

INFORICHが手掛けるモバイルバッテリーシェアリングサービス「ChargeSPOT」について、概況や需要の背景、市場動向が説明されている。

外出時にスマートフォンの充電ニーズが増加している理由やスマートフォンの買い替えサイクルの長期化、価格上昇などが多くの人々に影響を与えていることが示されている。

スマホ利用者の増加や端末の高価格化に伴い、ChargeSPOTのサービスが今後も需要が見込まれる背景が明らかにされている。

スマホ充電レンタル、便利なのに大半の人が知らないワケ 「ChargeSPOT」の認知度向上に必要なこと

 モバイルバッテリーシェアリングサービス「ChargeSPOT」を手掛けるINFORICHは、6月20日にメディア向けの勉強会を開催し、市場の概況などを説明した。

 勉強会に登壇したのはINFORICH取締役兼執行役員CFOの橋本祐樹氏。キャッシュレスFinTech子会社である、メルペイへの入社経験があり、予算の管理や管理会計構築の立ち上げに携わった経験を持つ。INFORICHには2019年12月に入社。国内コーポレート部門を統括している。

 INFORICHは「どこでも借りられて、どこでも返せる」をコンセプトに2018年4月からChargeSPOTのサービスを提供している企業。利用者は専用アプリからバッテリースタンドの設置場所を確認し、スマートフォンやタブレットを充電可能なモバイルバッテリーをレンタルできる。スタンドは主要駅やコンビニ、携帯電話ショップなどに設置されている。決済はPayPay、d払い、au PAY、クレジットカードなどで行う。

 国内におけるスタンドの設置台数は約4万3000台となっている。専用アプリの累計ダウンロード数は全世界で1000万人となり、2023年10月にはレンタル数が月間150万となった。月間アクティブユーザー数は2023年と比べて40万人以上増えた。

 ChargeSPOTの概況について、橋本氏は「外出中にスマートフォンを充電する需要がある」と前置きした上で、2018年のサービス開始以来、利用者が順調に増えていることを明かす。この要因は何か。

 橋本氏いわく、スマホの充電が切れる人が約3950万人となっており、うち1600万人は外出中に2回以上の充電を必要としているそうだ。スマホ中心の生活環境の中で、いかに外出中の充電ニーズが膨大なのかが分かる。

 この背景にあるのが「スマートフォンの買い替えサイクルの長期化や、高価格化である」と橋本氏は分析する。

 スマホのリチウムイオンバッテリーは約600回の充電回数で最大容量が80%に低下し、それを境に充電効果の急激な減少につながる。一方、物価上昇による端末価格の高騰に加え、新品端末の値引き規制が進んだため、バッテリー容量の低下だけを理由に端末を買い替えるハードルは高い。

 「スマートフォンの価格が高価格化しているし、2年に1回のペースで買い替えたい人が少ない。ヘビーユーザーの人は5~6年ほど前の端末を使い続ける傾向にあり、バッテリーの容量が少なくなるタイミングで充電するペースが増えた」(橋本氏)