iPadOS 18、ついに「計算機」搭載　ペン・手書きの「計算メモ」やAI活用

アップルは10日(米国時間)、WWDC2024において「iPadOS 18」を発表した。AI機能の「Apple Intelligence」に対応予定(英語)のほか、カスタマイズ機能や写真のアップデートなど多くの機能強化を図っている。

多くの機能はiOS 18と共通だが、iPadOSならではの特徴なるのが、Apple Pencil対応の強化や「計算機」アプリの追加となる。

「計算機」アプリ(電卓)は、iPhone向けには提供されていたが、iPadには純正アプリがなかった。iPad用の「計算機」アプリでは、Apple Pencilによるペン入力による計算に対応するなど、iPadならではの機能を多数搭載している

新機能の「計算メモ」は、ユーザーが数式をタイプ入力、もしくは手書きで記述すると、瞬時に数式の答えが“自分の手書き”で表示される。また、授業で新しい概念を学んだり、予算を計算したりする時などに、変数に値を代入することも可能。

グラフ機能では、方程式を書いたりタイプ入力し、1回タップするだけでグラフを挿入したり、同じグラフに複数の方程式を追加して関係性を確認できる。計算メモは、メモアプリの新しい「計算メモ」フォルダからアクセスできる。

また、基本計算機と科学計算機では、数式を完成させる前に数式全体を確認できる。ユーザーは履歴で以前の計算を確認したり、単位換算機能で長さ、重量、通貨などを換算できる。

Apple Pencilと連動した機能として、「スマートスクリプト」を搭載。「メモ」アプリで、ユーザーの筆跡を学習することで、手書きの数式もユーザーの筆跡に近い形で再現。そのため、数式全体としての見え方も自然になるという。

「メモ」アプリでは、タイプ入力したテキストについても強化。見出しや小見出しの下でセクションを折りたたんで、メモの内容を整理できるようになる。また、5色の新しいテキストハイライトカラーからも選択可能。

そのほか、「写真」アプリや「メッセージ」の刷新、カスタマイズの強化、新しいタブバーなどのUI改善などが図られている。また、Apple Intelligenceにも対応(英語)し、メール、メモ、Pages、他社製アプリなど、ほとんどの“書く”場面で、文章の書き直し、校正、要約が可能となるほか、画像生成の「Image Playground」にも対応する。

また、カレンダーにイベントとリマインダーのタスクが表示されるようになり、カレンダーから直接、リマインダーを作成・編集・完了できる。

iPadOS 18のデベロッパ向けベータ版は、11日から開発者向けに提供開始。パブリックベータ版は、7月から公開し、正式版は今秋にiPad Pro(M4)、12.9インチiPad Pro(第3世代以降)、11インチiPad Pro(第1世代以降)、iPad Air(M2)、iPad Air(第3世代以降)、iPad(第7世代以降)、iPad mini(第5世代以降)向けに提供する。