LINEMOベストプランは値上げか、値下げか? ソフトバンクが語る新料金の狙い

AI要約

ソフトバンクは6月6日、オンライン専用ブランド「LINEMO(ラインモ)」の新プラン「LINEMOベストプラン」を発表。ベストプランは7月下旬以降に提供開始予定。そしてLINEMOの変化や新料金プランの詳細について解説。

LINEMOベストプランは低容量と大容量向けの2種類があり、料金は使用したデータ容量によって変動。また、通話定額なしや容量超過後の通信制限、特徴などが明記されている。

ソフトバンクはLINEMOを通じて低価格な料金を提供し、顧客の離脱を防止。ミニプランのユーザーが月3GBの制限を超えている割合も示し、容量不足への対応を強化している。

LINEMOベストプランは値上げか、値下げか? ソフトバンクが語る新料金の狙い

ソフトバンクは6月6日、オンライン専用ブランド「LINEMO(ラインモ)」の新プラン「LINEMOベストプラン」を発表した。

ベストプランは7月下旬以降に提供開始予定。既存の「ミニプラン」と「スマホプラン」の新規申し込み受け付けはベストプラン提供開始とともに終了予定だ。

LINEMOはソフトバンクのサブブランドで、店舗対応はしないオンライン限定のブランドとして2021年7月に提供を開始。通信料金を節約したいソフトバンク/ワイモバイルユーザーの受け皿にもなってきた。

今回の新しい料金プランの登場によって、LINEMOはどう変わるのか解説する。

LINEMOベストプランは低容量と大容量向けの2種類がある。いずれも、月々の使用したデータ容量によって料金が変動する仕組み(料金は以降すべて税込)。

プラン名

LINEMOベストプラン

LINEMOベストプランV

月額料金

月3GB以下:990円月3GBから10GB以内:2090円

月20GB以下:2970円月20GBから30GB以内:3960円

通話定額

なし(22円/30秒の従量課金)

1回につき最大5分は無料(5分以降は従量課金)

容量超過後の通信制限

15GBまでが300kbps、それ以上は128kbpsに制限。

45GBまでは1Mbps、それ以上は128kbpsに制限。

その他の特徴

一部機能を除きLINEのトークや通話などが容量カウントなし

テザリング利用の追加料金はなし

5G対応(NSA方式のみ)

契約解除料

8日間キャンセルを除き、加入当月に解約した場合は990円

2020年以降、政府の意向により料金水準の値下げを余儀なくされた携帯電話業界だが、現在は経済圏競争という新たなシナリオに移行しつつあり、各社はARPU(1ユーザーあたりの収益)を再び向上させる方法を模索している。

ソフトバンクはLINEMOとワイモバイルの2つのサブブランドを持っている。家族割を重視するワイモバイルに対して、LINEMOは独身ユーザーでも低価格な料金を提供する役割になっている。

ソフトバンクにとってLINEMOは、ソフトバンクからの離脱を抑止するカードとなっている。その象徴的なプランが既存のミニプランで、月間3GBで990円という内容になっている。

ソフトバンク専務執行役員の寺尾洋幸氏は6日の発表会で、ミニプラン契約者のうち34%が実際には月3GBの容量制限を超えていると言及。

「制限を超過されるお客さまが年々増えている。追加の料金を購入されるか、我慢して使っていただくことになる。これはキャリア側では解約率に反映される」(寺尾氏)

より容量の大きなベストプランの導入によって、ユーザーの容量的な不満を解消するのが狙いのようだ。

新プランのベストプランでは3GBまでは990円という従来の水準を維持しつつ、3GBを超過すると上の段階の料金に自動で移行する「段階制プラン」になっている。

上段となる10GBでは、月額2090円となり、「大手キャリアとしては最安水準」とソフトバンクはアピールしている。

一方で、この改定は従来3GB超を低速通信で使っていたユーザーや、超過後に1GB550円で追加データを1回購入するなど「やりくり」していたユーザーにとっては「値上げ」となる。