市川團十郎、伝統文化の使命語る「伝統文化には忘れてしまった日本の心がある」

AI要約

歌舞伎俳優13代目市川團十郎が市川海老蔵改め十三代目市川團十郎としての披露や今後のビジョンについて語った。

襲名披露公演や息子との舞台についての詳細。

歌舞伎の伝統とアップデートの必要性、コロナ禍やインバウンドに対する展望について。

 歌舞伎俳優13代目市川團十郎(46)が31日、大阪市内で「市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露、八代目市川新之助初舞台『十月大歌舞伎』」(10月10日~26日、大阪松竹座)の取材会に出席。歌舞伎界の大名跡市川團十郎としての今後の中長期ビジョンを明かした。

 22年から行われてきた襲名披露公演も大阪で締めくくり。公演の昼の部では、2代目市川團十郎が280年前に演じた「雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」、夜の部では息子の新之助と「連獅子」を披露する。

 團十郎は公演終了後のビジョンについて「自分の歌舞伎への発言というものに関して、控えめであろうと思っている」。

 海老蔵時代は新しいことにも挑戦してきたが、團十郎としては誰よりも古典に向き合っていると自負しており、「伝統文化の守らなければならない部分を守りながら、アップデートしなくちゃいけない部分はアップデートし続ける。それは新しいことではなく、当然なことという風にできるよう團十郎としてありたい」と理想像を明かした。

 さらに、コロナ禍が過ぎ、インバウンドが戻ってきた中で「歌舞伎座に来れば伝統的な歌舞伎が観れるという空気を作る」と世界に視線を向けた。

 同時に「海外で日本の伝統文化として、世界の方に楽しんでいただけるような伝統文化、日本人にしか分からない心の内、戦前は当然のように“大和魂”と伝わっていたものが、戦争で考え方やあり方が変わった。それによって日本人は窮地に追い込まれていることに気付きだしている。日本の伝統文化というものは、そういう忘れてしまったであろう日本の心がある。日本人の方にもご理解いただけるような演目と演じ方をしたい」と、伝統文化として伝えるべき役割を熱く語った。