山中瑶子監督×河合優実主演『ナミビアの砂漠』がカンヌ批評家連盟賞受賞、邦画では『ドライブ・マイ・カー』に続く快挙に

AI要約

第77回カンヌ国際映画祭で山中瑶子監督の映画『ナミビアの砂漠』が女性監督として最年少で国際映画批評家連盟賞を受賞。

山中監督は19歳で初監督した作品で注目を集め、7年後に本格的な長編第一作を発表。主演には河合優実が抜擢された。

『ナミビアの砂漠』は21世紀の日本を生きる登場人物たちの距離を探究し、国際映画批評家連盟賞を受賞。各関係者から喜びのコメントが寄せられた。

山中瑶子監督×河合優実主演『ナミビアの砂漠』がカンヌ批評家連盟賞受賞、邦画では『ドライブ・マイ・カー』に続く快挙に

現在開催中の第77回カンヌ国際映画祭にて、山中瑶子監督映画『ナミビアの砂漠』が女性監督としては最年少で国際映画批評家連盟賞を受賞した。

山中監督は2017年に19歳で撮影・初監督した『あみこ』がPFFアワードで観客賞を受賞。その後第68回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に史上最年少で招待されるなど各国の映画祭で評判に。坂本龍一もその才能に惚れ込むなど、その名を世に知らしめた。

それから7年、『ナミビアの砂漠』は山中監督の本格的な長編第一作。主役に抜擢されたのは2021年公開の『由宇子の天秤』『サマーフィルムにのって』で数々の新人賞に輝き、最近ではドラマ『不適切にもほどがある!』でも話題の河合優実。学生時代に『あみこ』を観て女優になりたいと思った彼女は、山中監督に「いつか出演したいです」と直接伝えに行ったこともあった。その思いが叶えられた本作がカンヌで上映され、現地時間5月25日(土)に国際映画批評家連盟賞に見事輝いた。

同賞は1946年から授与されている賞で、国際映画批評家連盟(FIPRESCI)が受賞作を選出。過去にはヴィム・ヴェンダース監督『さすらい』(76)、『パリ、テキサス』(86)、スティーヴン・ソダーバーグ監督『セックスと嘘とビデオテープ』(89)、ケン・ローチ監督『リフ・ラフ』(91)、『大地と自由』(95)、アキ・カウリスマキ監督『ル・アーヴルの靴みがき』(11)など、錚々たる名匠たちの作品も受賞している。

日本映画としてはこれまで小栗康平監督『死の棘』(90)、諏訪敦彦監督『M/OTHER』(99)、青山真治監督『EUREKA』(00)、黒沢清監督『回路』(01)、濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』(21)と5作品が受賞。『ナミビアの砂漠』は『ドライブ・マイ・カー』に続く快挙となった。※()は受賞年

国際映画批評家連盟からの受賞理由は、「21世紀の日本を生きる登場人物たちの間に絶え間なく存在する距離を捉え、それらのイメージを通して、現代における神経多様性を大胆不敵に探究している。」といったもの。授賞式には山中監督が登壇し、驚きと喜びのコメントを述べた。また、受賞を伝えられたキャストたちからも喜びのコメントも到着した。

◾️山中瑶子監督 登壇時コメント

ありがとうございます。

パリに旅行に行っていたのですが、こんなにすぐにまた再びカンヌに戻って来られるとは、うれしいです。そしてとてもびっくりしています。このような賞をいただきありがとうございます。監督週間、そして私の映画のスタッフ、キャストのみなさんに感謝を伝えたいです。映画を作るとき、まだ感覚に頼るところが大きいのですが、いっぱい勉強して、もっとうまく映画を作れるようになりたいです。まず自分のことを大切にしてから、次に周りの人、そしてそれが全くの他人に届くように、日々優しくありたいです。ありがとうございます。

◾️河合優実 コメント

本当に本当におめでとうございます!これまで国際批評家連盟賞に名を連ねてきた素晴らしい作品たちに『ナミビアの砂漠』がならぶこと、言葉にし難い嬉しさです!この映画を発見してくれたカンヌ国際映画祭と、この度賞を授けて下さった審査員の方々、そして改めて、この作品に力を貸してくれた全ての人にいま最大限の感謝をしたいです。これを最高のプレゼントとして、これから私たちの映画が世界中に自由に羽ばたいていきますように!

◾️金子大地 コメント

山中監督、そしてこの映画に関わった全ての方々、受賞、おめでとうございます!

本当に嬉しいです。

先日のカンヌ映画祭登壇の興奮がいまだに醒めない中、こんな嬉しい報告を聞くことができて幸せです。このチームで作品を作れた喜びを改めて噛み締めています。

日本での公開、どうぞ楽しみにしていてください。多くの方に今作が届くことを願っています。

◾️寛一郎 コメント

受賞おめでとうございます!

カンヌに行けるだけではなく、賞までいただけるとは…。

すごくいいチームで作れた作品だと映画祭を通して再認識しました。

そんなチームで作った作品が、こうやって顕著に結果として現れてくれたこと、とても名誉なことだと思います。

山中監督おめでとうございます。

◾️山中瑶子監督 囲み取材時コメント

今回の映画は、ジャン・ユスターシュ監督の『ママと娼婦』に影響されて作ったところがあるのですが、『ママと娼婦』もコンペティション部門ではありますが同じ賞をもらっていますし、日本の監督でも私の尊敬する方たちがいただいてきた賞なのですごくびっくりしています。

受賞が決まった時に、グループLINEで、「批評家(連盟賞)だ!」とキャストたちに送ったのですが、本当にみんなで称え合いたいと思っています。

カンヌを沸かせた『ナミビアの砂漠』は、今年の夏に日本公開が決定している。