中尾彬さん81歳死去 二枚目から悪役、さらに若手だったウンナンの番組きっかけでバラエティー常連に

AI要約

中尾彬さんは、映画やドラマ、バラエティー番組で活躍し、心不全のために81歳で亡くなったことが発表されました。

若い頃から舞台俳優に憧れていた中尾さんは、日活ニューフェイスに合格し、映画やドラマで脇役や悪役など幅広い役柄を演じる中、バラエティー番組にも出演して視聴者に愛されました。

中尾さんは個性的なキャラクターで多くのツッコミやモノマネにも笑顔で応じ、テレビ界で欠かせない存在として活躍した一方、舞台での活動も大切にしていました。

中尾彬さん81歳死去 二枚目から悪役、さらに若手だったウンナンの番組きっかけでバラエティー常連に

 映画やドラマ、バラエティー番組などで幅広く活躍した俳優の中尾彬(なかお・あきら=本名同じ)さんが、心不全のため16日に死去していたことを22日、所属事務所が発表した。81歳だった。

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 中尾さんは、幼い頃に舞台俳優に憧れるも父に反対され、高卒後は絵描きを志したが、「ふらっと」応募した日活ニューフェイスにまさかの合格。その後、仏パリに1年間、留学も経験した。帰国後は「宇野重吉さんや脇役でうまい人に教えを請いたい」と民藝の門をたたく。映画館をはしごし、邦画を1日7本観賞するなど芝居の世界に魅了された。

 64年に映画「月曜日のユカ」で期待の新人俳優として注目を浴びた。69年NHK朝ドラ「信子とおばあちゃん」で、脇役ながら主婦層の人気を獲得。ドラマでたびたび二枚目の役を演じるなど引っ張りだこに。ただ、本人は舞台で活躍することを望み「映像は武者修行のつもり。器用貧乏にはなりたくない」と葛藤もあった。30~40代では、こわもての風貌(ふうぼう)から悪役や重厚な役柄で存在感を発揮。時代劇から現代劇まで幅広く演じた。

 90年代半ばに転機が訪れた。声や顔つき、モテモテだった私生活も相まって、トガったイメージを持たれていたが、バラエティー番組に出演すると、その裏表のないキャラクターが多くの視聴者の心をつかんだ。

 当時若手ホープだったウッチャンナンチャンの番組にも出演。南原清隆(59)がモノマネする「中王彬」のコーナーに“ご本人出演”した際のやりとりが大ウケし、一気にバラエティー番組の常連に。ダウンタウンらからのツッコミも笑顔で受け入れる懐の深さで、テレビ界に欠かせない存在となった。