神木隆之介 新日曜劇場は「ルフィです」 かつて日本支えた「端島(軍艦島)」が舞台「当時の思いを…」

AI要約

神木隆之介がTBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」で初めて主演を務めることになり、一人二役に挑戦する。物語は長崎県端島と現代東京を舞台に、愛と友情、家族の物語を描く。

神木は戦後復興期から高度経済成長期の時代を背景に、一人二役の役柄を演じ分ける。役柄についての印象や挑戦のポイントなどを語る。

端島に初めて訪れた神木は、物語を通じて当時の状況や人々の生活を体験することの意義を強調し、視聴者にドラマを通じて時代の移り変わりを感じてほしいと訴える。

神木隆之介 新日曜劇場は「ルフィです」 かつて日本支えた「端島(軍艦島)」が舞台「当時の思いを…」

 俳優・神木隆之介(31)が、10月スタートのTBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(日曜後9・00)で初めて同枠の主演に抜てきされた。来年芸能活動30周年を迎える神木が、一人二役に初挑戦。自身が演じる役について、その印象を語った。(中村 綾佳)

 本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。「アンナチュラル」(2018年)、「MIU404」(2020年)、現在上映中の映画「ラストマイル」など数々のヒット作を生み出してきた、野木亜紀子×塚原あゆ子×新井順子という強力チームが手掛ける。戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく。

 神木は同作で、俳優人生初となる「一人二役」に挑戦した。1955年の「端島パート」では、端島の炭鉱員の家で生まれ育った鉄平を、「現代パート」では現代の東京に生きるホストの玲央を演じる。

 「一人二役」のオファーについては、「純粋に“どういうことですか?”と聞いてしまいました(笑い)」と驚きを明かす。「鉄平」は、端島の炭鉱員の家で生まれ育った明るくまっすぐな主人公。一方、ホストの「玲央」は、夢も希望もやる気もなく、抜け出せない日々のなかで自分をすり減らしながら生きている青年。“正反対”な2人を、同時進行で演じ分けている。

 「鉄平」について、神木は「(演出の)塚原さんから、“『ワンピース』のルフィみたいな人なイメージで”と言われました」と明かす。ルフィは冒険好きで、好奇心旺盛。楽観主義者でお調子者だが、仲間を何より大切に思う人物。神木は「自分もテンションが上がるとルフィっぽいです」とはにかんだ。

 一方の「玲央」は、「堕落したイメージで」という説明があった。神木は「無気力・無感動・無関心の男で、自分の将来のことも考えていないし、どうすればいいのか、何をしたいかもわかってない、ただただ流れに身を任せて生きているキャラクター」と分析し、「僕も休日が続くと、朝6時に起きるような堕落した部分もあるので…」と共通点を告白。「しゃべり方や姿勢を意識して変えて、出す雰囲気も変えました」と演じ分けのポイントを明かした。

 物語は「軍艦島」と呼ばれる長崎の端島が舞台。かつて石炭の採掘で日本の重工業分野の近代化を支え、高度経済成長期には東京・新宿ほどの面積の小さな島に約5000人が住み、人口密度の最盛期は東京都の約17.5倍と栄えた島だ。

 端島について、神木は「今回初めて行きました」という。「今は『軍艦島』と認識されていて、僕も『端島』と言う名前は初めて知りました」と明かし、「知ってはいるけどどういう島なのか、どういう人たちが当時過ごして暮らしていたのか…ということを、あまり知られていないように思います。僕は知らなかったです」と率直な印象をあ語った。

 そんな中で「玲央を通して、今を生きる青年が、どういう風に当時の端島を見るのか体験することができる」と、このドラマの役割を分析。「当時の日本の状況、島の環境、島の人々はどのような思いを背負って生きてきたのか。これらのことを、頭の隅に置いておくだけでも変わることはあるのかな…と思います。頭の隅に置いていたことが、今後、何かとつながっていくこともあると思う。“玲央目線”で、一緒に客観的に見ることができます」と主張し「ドラマを通して、当時のいきいきとした端島と時代を感じていただき、その中でどういう人間ドラマが生まれていたのか、どんな風に時代を駆け抜けていったのを、ぜひ見ていただけたらと思います」と呼びかけた。