「虎に翼」のどか役尾碕真花、名シーン誕生の裏に家族の絆「勝手に自分のスイッチもオンになる」

AI要約

NHK連続テレビ小説「虎に翼」に出演中の尾碕真花を取材。彼女が演じる星のどかが家族の在り方を見つめ直す存在となる物語後半のエピソード。

のどか役の尾碕は、共演者たちとの関係が本物の家族のようで、オンオフの雰囲気が異なる姿があり、特に主演の伊藤沙莉との絆が深い。

作品内外での共演者とのエピソードや伊藤沙莉への尊敬、名シーン誕生の裏側など、尾碕真花の素顔や魅力が明かされる。

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

 NHK連続テレビ小説「虎に翼」に出演中の尾碕真花(おざき・いちか、23)をこのほど取材した。同作では、主人公の佐田寅子(伊藤沙莉)が二人目に恋をする星航一(岡田将生)の娘・星のどかを演じ、物語後半で“家族の在り方”を見つめ直す起点のような存在となった。

 のどかは寅子と航一の事実婚により一緒に暮らし始めるが、序盤は家庭の中で和やかな空気と冷ややかな空気が同居する。腹の探り合いのような一幕などヒヤヒヤするシーンも多々あったが、カメラのまわっていない“オフ”のタイミングは主演の伊藤を中心に和気あいあい。伊藤を始め、岡田、余貴美子、井上祐貴、毎田暖乃ら家族役キャストとの関係性は、まるで本物の家族のようだったという。次々と思い出話を明かしてくれた。

 父親役の岡田と兄役の井上は頼れる存在。岡田には「私がお芝居で試行錯誤している時、1番に声をかけてくださった。物腰の柔らかいすてきな方」と感謝。井上は「井上さんと私は遅めに撮影に入ったんですけど、井上さんが岡田さんや伊藤さんに会話の話題を振ってくれて。輪の中に入りやすかったです」と頼もしい。

 祖母役の余は「すごい面白い方。本当にオンオフが一番はっきりしていらっしゃる」という。「しっかり役を全うされているのに、1人反省会? をしているんです。『今の(演技)は全然良くなかったわ』と言っていて。良くない訳がないんですけどね(笑い)」。ベテラン然とした壁を感じさせない空気感に、救われる感覚があった。

 “妹”となる毎田とは姉妹のよう。「しっかりしている子で『中学1年生かい?』って現場で10回くらい聞きました(笑い)」と同時に、12歳という子どもらしさも。毎田から頻繁に出される心理テストで交流し「『あなたはウサギ派です』とか言ってくるんですよ(笑い)。本当に妹のようでした」とめでた。

 座長の伊藤には強いリスペクトがある。分け隔てなく、輪の中心にいる伊藤の存在は「皆さんの一番の友達”という感じ」と表現。「みんなに『誰と仲良くなりましたか?』『話しましたか?』って聞いたらみんなが『伊藤沙莉さん』って答えそうな人柄です。真ん中に自然にいてくれる。ある種、母のような」と慕った。

 劇中、のどかが寅子らへの不満や本音を吐き出し、父と涙ながらに向き合った一幕はSNSで「もらい泣きした」などと大きな反響が寄せられた。「オフがあるからこそ、オンがわかりやすくて作りやすい部分はあったかも知れないです。伊藤さんに合わせてお芝居について行こうと思うと、勝手に自分のスイッチもオンになる。ついていくだけで引っ張っていってくださる力がある方。気負わずにできました」。名シーン誕生の裏には、本物の家族のような絆があった。【望月千草】