自分のオーケストラを立ち上げた少女の実話を映画化『パリのちいさなオーケストラ』

AI要約

パリに住むザイアとフェットゥマ姉妹の実話を基にした映画。ザイアは指揮者を目指し、難関の名門音楽院に編入するが、女性指揮者の道は険しい。世界的指揮者に見出され、荒削りな才能を育て上げる師弟関係や友情が描かれる。

作中で演奏されるラヴェルの『ボレロ』など、音楽が作品を盛り上げる。ザイアが自分のオーケストラを立ち上げようと奮闘する姿が感動的。出演者はほぼ全員が実際にミュージシャンである。

感動と勇気を与える音楽映画。ザイアの才能と情熱、そして困難を乗り越えて成長する姿に注目。

自分のオーケストラを立ち上げた少女の実話を映画化『パリのちいさなオーケストラ』

映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。

【水先案内人 高松啓二のおススメ】

パリに住むザイアとフェットゥマ姉妹はクラシックを学んでいた。二人とも才能が認められ、名門音楽院に編入するが……。ディヴェルティメント・オーケストラを立ち上げた少女の実話を映画化。

ザイアは指揮者を目指すが、クラシック界では女性指揮者は6%しかいない。また彼女は移民出身のアルジェリア人なのでさらに敷居は高くなる。クラシックを学ぶ学生は裕福な家庭が多く、移民の家庭は金銭的にも階層的にも厳しい。それでも彼女の才能を見抜いた世界的指揮者セルジュ・チェリビダッケは、指導することにする。

荒削りの才能を厳しくも優しく教える師弟関係や学校生活でのいじめや友情などは定番の展開である。けれどもザイアの自分のオーケストラを作ろうと妹とともに数少ない友人や他の学校から学生を募る健気な姿は、素直に応援したくなる。ちなみに出演者は、ほぼ全員がミュージシャンである。特に劇中に演奏されるラヴェルの『ボレロ』は、作品を盛り上げる!

<作品情報>

『パリのちいさなオーケストラ』

2024年9月20日(金) 公開

監督・脚本:マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール

出演:ウーヤラ・アマムラ、リナ・エル・アラビ、ニエル・アレストリュプ