「ジョンソン」はここでつまずいた…テレビの「視聴者参加型番組ブーム」で変わる「顔ぶれ」

AI要約

視聴者参加型番組が増加しており、学校を舞台にした企画などが注目されている。

テレビ番組において、素人参加の魅力や課題、タレントの需要の高まりが取り上げられている。

視聴者参加型番組のブームにより、地上波テレビの出演者たちの顔ぶれが一新される可能性がある。

「ジョンソン」はここでつまずいた…テレビの「視聴者参加型番組ブーム」で変わる「顔ぶれ」

好評のうちに幕を閉じた『FNS27時間テレビ 日本一たのしい学園祭!』(フジテレビ系)を筆頭に、視聴者参加型番組が増加している。

「コロナ禍で長らく大型ロケができなかった反動と見ています。もうひとつ大きな要因として挙げられるのが、少子化や物価高の影響で経営が厳しくなった私立高などが撮影に協力的になっていること。学校モノは、テレビ局が重視しているコア視聴率(13~49歳男女の視聴率)のアップに繋がりますから、力が入りますよね」(キー局プロデューサー)

『新しいカギ』(フジ系)の企画「学校かくれんぼ」のヒットを受けてか、今春リニューアルした『おはスタ』(テレビ東京系)では、謎解きクリエイター・松丸亮吾(28)が小学校を舞台に行う企画「ナゾトキングダム」がスタート。

中部日本放送は’67年から’04年まで放送していた長寿番組『天才クイズ』をパワーアップさせた視聴者参加型の特番『新天才クイズ』を毎年放送している。

「テレビ慣れしていない視聴者が起こすハプニングが最大の魅力です。解答者が芸能人だと、解答もトーク内容も大体、想像できてしまう。″芸能人たちの内輪ノリが苦手″という視聴者も少なくない」(制作会社ディレクター)

もちろん、素人である視聴者を起用するデメリットもある。「すぐSNSで暴露されてしまうので、下手な演出はできない」(放送作家)というのもそのひとつ。

「ヤラセはもってのほかですが、例えば『あんな意図で私は発言していない』と投稿されるだけで炎上してしまいますから。収録が済んだ後に『やっぱり出たくないからカットしてほしい』と言われて、現場が混乱するケースもある」

◆ただただ間延び

″素人参加番組にマッチするスタッフやタレント″を起用することも重要だと、この放送作家は指摘する。

「『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(日本テレビ系)の名物ディレクター”茜ちゃん”は、密着取材された店主や家族が再会を泣いて喜ぶぐらい懐に入るのが上手い。だからこそ、VTRに深みが出る。先の『27時間テレビ』で株を上げた『ハナコ』や、街の人たちと触れ合う『秋山ロケの地図』(テレ東系)の『ロバート』秋山竜次(46)のように、壁を作らず素人さんと接することができるタレントの需要が高まっています」

一方で『ジョンソン』(TBS系)は、「素人参加企画がハマらなかったのがコケた理由のひとつ」だと言われている。

「4月に放送された『富士山争奪!500人綱引き』は、かなり大掛かりな企画でした。ただ、2時間もかけて放送するだけのドラマは起こらず、ただただ間延びしているように見えた。『かまいたち』や『ニューヨーク』ら『ジョンソン』の出演者は、エッジの利いた笑いは得意ですが、素人に寄り添うタイプではない。そこがハマらなかった原因だと思います。逆に毒舌のイメージがある『霜降り明星』の粗品(31)は、素人と絡む際はあまり自分を主張せず、共演する人を引き立たせる。企画によってキャラクターを使い分けています。技量の高さを感じますね」(前出・制作会社ディレクター)

視聴者参加型番組のブームの到来で、地上波テレビの出演者たちの顔ぶれが一新されるかもしれない。

『FRIDAY』2024年9月6・13日合併号より