雪組トップ彩風咲奈、「すべてに夢が詰まっている」 宝塚歌劇「ベルサイユのばら フェルゼン編 」東京公演が開幕へ

AI要約

宝塚歌劇団の雪組公演「ベルサイユのばら―フェルゼン編―」の通し舞台稽古が行われ、トップスター彩風咲奈の退団公演となること、彩風が「ベルさら」で夢を追い求めた思いを語ること、彩風がフェルゼン役を演じることなどが紹介された。

1974年初演の宝塚最大のヒット作である「ベルサイユのばら」の再演について、フェルゼン伯爵の視点で描かれる「フェルゼン編」や彩風の役作りについて明かされている。

公演に関わる出演者たちの思いや彩風の新曲に込められた思い、さらに彩風や他の出演者の意気込みが語られている。

雪組トップ彩風咲奈、「すべてに夢が詰まっている」 宝塚歌劇「ベルサイユのばら フェルゼン編 」東京公演が開幕へ

 宝塚歌劇団の雪組公演「ベルサイユのばら―フェルゼン編―」の通し舞台稽古が30日、東京・日比谷の東京宝塚劇場で行われた。

 フェルゼン役を演じるトップスター彩風咲奈の退団公演となる。自身が宝塚に入るきっかけとなった「ベルばら」で卒業する彩風は取材で、「プロローグのせり上がりで見える、一面ピンクのバラが咲き乱れる世界の美しさが『ベルサイユのばら』ならでは。宝塚の男役、娘役としての夢、ファン時代の自分が見たかったもの。すべてに夢が詰まっている。今もずっと夢の続きを見ているような気持ちでいます」と思いを語った。

 池田理代子さんの原作漫画を舞台化した「ベルサイユのばら」は、1974年初演の宝塚最大のヒット作。フランス革命を背景に描いた壮大な歴史ロマンで、再演のたびに、その組のトップスターの持ち味に合わせた脚本で上演されてきた。「フェルゼン編」はフランス王妃と道ならぬ恋に落ち、革命の嵐から救い出そうと奔走するスウェーデン貴族のフェルゼン伯爵の視点で描かれている。

 彩風は2001年に上演された宙組公演「フェルゼンとマリー・アントワネット編」を見て宝塚を志し、13年の雪組による「フェルゼン編」の新人公演で主役のフェルゼン役を演じた。「新人公演の時は男役としても未熟で、フェルゼンのかっこいいところだけを見ていた。この学年で改めてフェルゼンというお役に向き合うと、王妃を愛していることが強さであり、弱さでもあると思った。どんなにかっこいい人間にも弱い部分があることを改めて感じ、演じる上で大切にしている」と役作りについて明かした。

 フェルゼンが歌う新曲「セラビ・アデュー」には、フェルゼンが友人のオスカルやアンドレをはじめフランス革命に散っていった人々に寄せる思いと、退団する彩風自身の宝塚への思いが重ねられている。「曲と歌詞は切ないけれど、さわやかな気持ちで、お客さまや、組の皆さん、私が出会ってきた大事な人たちに向けて、自分からのメッセージのような気持ちで歌わせていただいています」

 通し舞台稽古には50年前の初演でオスカルを演じた榛名由梨、マリー・アントワネットを演じた初風諄も駆けつけた。彩風は「皆さまがどれだけ『ベルサイユのばら』を愛しているかが伝わってくる。私も負けないくらい愛して、東京公演も頑張っていきたい」と気持ちも新た。マリー・アントワネット役のトップ娘役・夢白あやも初風との対面に、「初日が開ける前にお会いできたことは、あしたからの糧になる。心を新たに務めたい」と話した。

 公演は31日に開幕し、10月13日まで行われる。