ファン・ジョンミンとヨム・ジョンアが夫婦でバディーに!悪と戦う アクションコメディー 「クロス・ミッション」

AI要約

Netflix映画「クロス・ミッション」は、銃撃戦を含む夫婦バディーの物語で、アクションコメディータッチの作品。

ミソンとガンムの夫婦関係に起きるさざなみや、ガンムの過去と追いかける事件により、展開が進む。

チームの面々や懸命に奮闘するミソンなど、個性豊かなキャラクターが物語を盛り上げる。

ファン・ジョンミンとヨム・ジョンアが夫婦でバディーに!悪と戦う アクションコメディー 「クロス・ミッション」

Netflix映画「クロス・ミッション」が8月9日より配信中だ。Netflixではドラマシリーズ「ナルコの神」に続く出演作となるファン・ジョンミンと、アクションコメディー映画「密輸1970」での海女役が記憶に新しいヨム・ジョンアが、夫婦役を演じている。

本作の映画的な山場は、宣伝ビジュアルにも使われている、夫婦がバディーとなって戦うクライマックスの銃撃戦だ。ヨム・ジョンアがふんする強力犯罪捜査隊の刑事カン・ミソンは、射撃の大会でアジアナンバー2となった腕を持つ。ファン・ジョンミンがふんするのはその夫で、元情報司令部の特殊要員だったパク・ガンムだ。つまり彼らは、夫婦そろってすご腕の銃の使い手なのである。

ストーリーの肝は、妻が夫の過去を知らなかったところにある。6年前、任務中の非常事態で下した判断が規約に違反したため、ガンムは民間人に戻り、ミソンと結婚したのだ。

2人の関係は、妻が稼ぎ、ガンムが主夫として家事を取り仕切る、いわゆる役割逆転夫婦である。狙った獲物を90%の確率で仕留めるミソンは、〝ワニ〟の異名を持つ鬼刑事。一方のガンムは、彼女が所属するチームのメンバーから〝奥さん〟と呼ばれるプロの主夫だ。それぞれが積み重ねてきた俳優としてのイメージを逆手に取った、キャスティングの勝利である。まさかエプロン姿のファン・ジョンミンが料理や片付けにいそしむ姿を見られるとは、想像すらしていなかった。

本作の基本的なトーンはコメディータッチだ。お互いに相手への小さな不満はあるが、夫婦の関係は良好だ。ところがある日、夫婦関係にさざなみが起きる。ガンムと美女がただならぬ雰囲気で会っているところを、ミソンのチームのメンバーが目撃したのだ。

この映画の魅力を語る上で、ミソンのチームは外せない。ミソンにとって〝先輩〟に当たる寛容で優しいチーム長は、妻の浮気で離婚して廃人になりかけた過去を持つ(この離婚歴が、とある場面でうまく機能する!)。そして大柄のドンスと若手のホンギは先輩のミソンに頭が上がらない。

この後輩2人が、ガンムと美女の2ショット(セリフなし)に、勝手にアフレコをする場面がデュアルフレームで描かれる。そのセリフのベタ具合は、「メロドラマの見すぎだよ!」とツッコミを入れたくなるほどだ。後にチーム長がアフレコをする場面もやはりベタベタで、3人のロマンチストぶりが実に可愛らしい。

ガンムが妻に内緒で会っている女性は、かつて特殊要員として任務をともにしたチャン・ヒョジュだ。ガンムは町なかで何者かに追われているヒョジュに偶然出会い、助け出す。事情を聞くと、やはり特殊要員仲間で、ヒョジュの夫でもあるジュンサンが、国防費予算の不正について内部告発しようとしたところ、行方不明になったという。ガンムはヒョジュのためにジュンサンを捜し出そうとするが、自身の過去を妻に隠しているため、ミソンにとっては夫の行動がどんどん怪しくなっていく。

そこで、ミソンは夫の浮気を調査するために、携帯端末にガンムの携帯を同期する。すると、ミソンが担当している事件とガンムの動きが徐々に交差していき、夫婦共闘のクライマックスへと見事に展開するのだ。ご都合主義に陥りそうな筋書きだが、この〝携帯の同期〟が実にうまく機能していて、齟齬(そご)はない。