令和喜多みなみ・河野&爛々・萌々(2)「ド・根性ズ」結成しM-1初戦席巻!あるぞ最大の番狂わせ!!
令和喜多みなみの河野良祐(37)と、爛々の萌々(26)。相方が病気療養中の2人がユニット「ド・根性ズ」を結成し、M-1グランプリで好成績を収めている。
ライブ活動や目標、経験、準決勝の目標などを通して、2人の活動への熱意や愛情が伝わる。
2人のコンビ結成は奇跡的であり、相方への強い思いが共鳴し、漫才活動を通じて成長している。
令和喜多みなみの河野良祐(37)と、爛々の萌々(26)。相方が病気療養中の2人がユニット「ド・根性ズ」を結成した。M-1グランプリでも1回戦を好発進で突破し、着々と実績を積み上げている。
【ド・根性ズインタビュー(2)】
◆漫談よりやっぱり漫才!「百億倍楽しい」◆
―ライブは定期的にやられてるんですか?
河野「新ネタ下ろすライブ1本、ド根性ズの漫才とそれぞれの漫談をするライブ1本、必ず毎月2本やってますね。2人ともしばらく1人でやっていましたが、やっぱり漫才の方がああでもない、こうでもないと言いながらなので、前に進んでいる感じがすごく実感できるんです」
萌々「そう。百億倍楽しいです」
―(笑い)
河野「ピンはしんどいですねえ」
萌々「改めてピン芸人は頭おかしい説は確実になってきてます。すごいリスペクトな意味ですけどね」
―ピンの方にお話をうかがうと、相方の人生まで背負われへんとか、ピンやから気楽にできる、とおっしゃいます。
萌々「背負ったほうがラク(笑い)」
―ド・根性ズの今後はどういうイメージでしょうか?
河野「今はM-1ですね。劇場に出たいんですが、出番をもらうにはオーディションから勝ち上がるというルールなので。事情をくんでもらってピンでは出させてもらっていますけど、即席コンビで寄席は出られないんです。ライブ主催するしかなくて」
―そのM-1初戦は各会場で選ばれるトップ3に入りました。
河野「もも、スーズに続いてですから、ほんまにうれしかった」
萌々「その後、飲みにいきましたもん。ベロベロなりました」
―(笑い)
萌々「私が独身年下女で、河野さんが既婚者年上男なんです。こういう関係性って他の男女コンビでも珍しいと思うんです。ズバズバと女性が斬っていくのも新しいかも、とは思ってましたね」
◆萌々「ド・根性ズという存在が頑張る場所をくれている」◆
―ところで一緒にやるというのは番組で宣言したのでしょうか?
河野「いや、発表まではいってないんです。こういうライブします、と番組の中で言ったのが最初ですね」
萌々「1回目のライブで、お客さんがめっちゃウケたんですよ。それぞれのファンの人も漫才を久しぶりに見て、すごく新鮮に感じてくれたというのもあると思うんですけど。またこの快感を味わいたいという気持ちになってコンスタントにやるようになったんです」
河野「舞台出ていったときの拍手がすごい長かったもんな」
萌々「うれしかったですねえ。普通にウルっときました」
―比較は難しいとは思いますが、それぞれのコンビと、ド・根性ズはどうとらえていらっしゃいますか」
萌々「難しいですねえ」
河野「今はとりあえず漫才できているのが楽しいという感覚かな」
萌々「なんか、まったく別のキャラという感じでしょうか。だから全然照らし合わせたことはないんですよ。爛々のときはこうしてた、というのが全く通用しないし、ド・根性ズでのこともたぶん爛々には影響しないんです。ただ、私と河野さんの経験値が上がっただけで、戻れたとしても比較することは一生ないかもですね」
―なるほど。
萌々「爛々のことについて向き合ったり、ネタを見返したりすることもあるんですけど、悲しくなる感情が起きる時が多いから、もういやや、となることも多くて。でも、ド・根性ズという存在が頑張る場所をくれているんかな、という思いはあります。今は私たち、一生懸命やるしかないんで、それぞれのコンビのことを考えてないのかもしれない。でも、ずっと頭にはあるんです。わかるかな?」
―ええ、感覚的には理解できます。
河野「そやね、言葉にすると難しいね(笑い)」
萌々「語弊しかない(笑い)」
河野「この感覚を言葉にするのは難しいんですけど、爛々は女同士やし、ぼくら男同士なので、それぞれ同性同士だったら比較されやすいけど、今が男女で全然違うことをしてるんで、スッと見てくれる人が多いんとちゃうかなと思いますね」
萌々「爛々ぽいとか喜多みなっぽいとか言われたことない」
河野「確かにない」
◆準決勝まで行けば、おもろいことになる◆
―今のド・根性ズの目標は何でしょうか?
河野「リアルに言うと、M-1準決勝です。もちろん優勝は目指しますけど、そんな甘いもんじゃないので。準決行けたらおもろいな、というか」
萌々「人生ちょっとおもろなりそう」
―準決行ったら、必ず敗者復活にも行けますから、すごい話題にもなりそうです。
河野「そうなんです。それによって、どこかのライブに呼んでもらえたりとかも増えると思うので。それが大きな目的なんです」
萌々「私ら実はライブに出ることしか頭にないんです。ほんまに舞台に立ちたい!」
―爛々として「THE W」では決勝まで行かれましたよね?
萌々「実は今年もピンで出ます。1人で決勝行ったらカッコいいじゃないですか」
―それはカッコいいです。しかもド根性ズも躍進したら、さらにですね。
萌々「それはもうムキムキですよね。でも、今は人生で一番M-1が楽しいです。これまで自己肯定感が一番下がる大会やったんです。すごい緊張するし、めっちゃ頑張って一年作ってきたネタがダメってなっちゃうし。比較が生まれて、レベル分けされて劣等感が生まれたりしたんですけど今は、やる!という思いしかない。変なことを考えることなく楽しめてます」
河野「そうですねえ。確かに今まではM-1っていややなあ、億劫やなあって思ってたんですけど、今はどれくらい通用するのか楽しみでワクワクしてますね。即席コンビとはいえ、どんだけ戦えるんやろ、という思いです。当日はめっちゃ緊張しましたけど。でも、緊張させてもらえる場があるというのがありがたいというか。自分のコンビは15年経ったので出れないですから。それだけでもうれしいですね」
萌々「ド・根性ズであと15回出れますよ」
河野「そ、そやね(笑い)」=終わり
【取材を終えて】「同じ境遇だから一緒にやろうと思った」と異口同音に語った2人。確かにそうだろう。ただ、それ以上に2人がそれぞれの相方に強い愛情と責任を感じているという前提が大きかったのではないか。
そう感じたのは河野の言葉。「ぼくらが辞めてしまうと、両方の相方も戻る場がなくなってしまう。そのためにも頑張っていかないといけない」。漫才をしたい、ユニットとして結果を出したい。それより何より、2人の根底には相方への強い思いがあり、それが共鳴したからこそ手を取り合ったと感じた。
もはや奇跡的とも言える2人のコンビ結成。キャリアは申し分なく、あとは「おもろい漫才」をするだけ。2024年の台風の目になってほしいコンビの誕生だ。(江良 真)
【公演情報】「ド・根性ズとゲストズ」9月7日、17時30分開演。大阪・新世界ZAZAPOCKETS FANYチケットで発売中。問い合わせはTEL0570(550)100。