ザ・クラッシュの「サンディニスタ!」は超問題作かつ最高傑作【アナログで聴きたい名盤】

AI要約

パンクバンドのザ・クラッシュが放った超問題作「サンディニスタ!」は、バンドの最高傑作とも言われる作品。前作をしのぐ情報量と多様な音楽ジャンルが詰め込まれた3枚組のアルバムで、バンドの多才さが存分に発揮されている。

ロック、ヒップホップ、R&B、ジャズ、レゲエ、ダブなど、様々な音楽ジャンルが織り交ぜられた作品は、「混沌」の中で新たなスタイルを模索するクラッシュの姿を生々しく描いており、未完成さにも魅力を感じさせる。

フィジカルな要素も重要であり、3枚のLPが収められたシングルジャケットは重みを感じさせ、レコードをめくりながら「混沌」を体験することができる。

ザ・クラッシュの「サンディニスタ!」は超問題作かつ最高傑作【アナログで聴きたい名盤】

【ザ・クラッシュ/サンディニスタ!(1980年)】

 パンクから大きく脱却した超問題作でバンドの最高傑作。前作「ロンドン・コーリング」を推す人も多いだろうが、個人的にはこちらを挙げたい。アナログ3枚組、全36曲でトータル2時間24分28秒。発売当時はあまりの情報量にがくぜんとなった。

 ロックからヒップホップ、R&B、ジャズ、レゲエ、ダブ…あらゆる種類の音楽が雑多に鳴らされ、バンドがやりたいことを全てやり切った感が強い。「混沌」の中にありながら新たなスタイルの光を探し求める当時のクラッシュが、自分たちの現在の姿をさらけ出した生の「ドキュメント」ともいえる作品だ。

 1枚にまとめることは絶対に不可能だったのだろう。しかし「7人の偉人」「叛乱ワルツ」「チャーリー・ドント・サーフ」などの名曲も多い。ディスク3はほとんど実験作のような内容だが、逆にその未完成さに心を奪われる。

 これほどの大作となるとフィジカルも重要。3枚のLPが入ったシングルジャケットを手にした時のズシリとした重みは言葉にならない感慨深さが残る。一枚一枚レコードをひっくり返しながら、乱雑な手書きのインナーを見つつ、約2時間半の「混沌」を経験してほしい。