ゆっきゅん「アルバムは、数えきれないほどの人間たちの連絡が積み重なって完成している」

AI要約

アルバム制作における連絡の重要性について、valkneeさんとの対談を通じて気づきを得る。

自主制作活動において、アーティストとしての自己プロデュースの難しさとやりがいを感じつつ、新たなアルバムに向けて奮闘する日々。

valkneeさんの行動力や後輩育成への意欲から、新たなDIVAシーンの構築に向けた尊敬と希望が生まれる。

ゆっきゅん「アルバムは、数えきれないほどの人間たちの連絡が積み重なって完成している」

ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。ラッパーのvalkneeさんとの対談を終えたゆっきゅんが、前回までを振り返って言葉を綴ります。

作りあげられたアルバムは膨大な連絡の集大成。

valkneeさんとは活動の距離もリスナーも近いように勝手に感じてきましたが、こうしてゆっくり話すのは初めてで、やっぱり共感できることばかりなのでした。私は今のところセルフプロデュースでDIVA活動をしていますが、作曲はしないしトラックも作らないので、自主映画の主演兼監督兼プロデューサーみたいな感じで、どうにかお金を集めながらあれもこれも自分からお願いして、判断をして、連絡をしまくっていくという日々です。曲によって頼む人も関わる人も違うし、作曲家、レコーディングのバンドメンバー、レコーディングエンジニア、ミキシングエンジニア、マスタリングエンジニア、写真家、衣装デザイナー、スタイリスト、グッズの業者、ライブハウス……これでも最少人数にしてやってるけど、私たちを繋ぐものは、“私の連絡”。この世は連絡で出来ています。この世に放たれたアルバムたちはどれも、数えきれないほどの人間たちの連絡が積み重なって完成しているのです。私はセカンドアルバムを制作中、連絡のプレッシャーに追われていたので、valkneeさんも「アルバム制作の本体は連絡」という認識を持っていることに心底救われました。そんなの音楽を聴く人にはどうでもいいことだとはわかっている (私が音楽を聴く時に連絡を想像したりはしない) けど、なんかすごく嬉しかったし“自分ももう少しだぞやるぞー”と思えました。もちろんやりたくてやってることだからvalkneeさんも私も制作を楽しんでいるに違いないけど、似たようなめんどくささを近い温度で抱えながらやっているアーティストがいると感じられることは、クソデカ支えになります。

私はまだ私のことしか気にかけられないけど、valkneeさんは下の世代とかシーンのことを考えて行動しているのがほんとにかっこいいなと思います。7月に開催していたWWWとWWW Xでのライブとか、Spotifyのプレイリストを作っていることとか。自分も、まあDIVAの後輩が出てきていない問題 (?) もあるけど、自分より若い人や後に出てきた表現者を引っ張っていくような存在になっていけたらいいな……とvalknee先輩を見て尊敬しました。あと年1でアルバム出したいって言っててかっこよかった。絶対キネマでツーマンしたいので頑張ります。

唯一無二で突っ走るだけでは張りがないしDIVAシーン形成したいなー! 

ゆっきゅん 1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun

※『anan』2024年8月14日‐21日合併号より。写真・幸喜ひかり 文・ゆっきゅん

(by anan編集部)

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