コラボ引っ張りだこの「鬼滅」タイアップ多数のYOASOBI…消費者リーチ力ランキング、アニメ系が独占=博報堂

AI要約
アニメコンテンツが消費行動において突出した存在感を示している。支出金額が過去最高になった背景にはグッズやリアルイベント市場の成長がある。アニメ作品が上位ランキングを席巻し、『鬼滅の刃』が2年連続で1位を獲得。新作アニメや劇場版の製作も進行中。多くの新規コンテンツがランキング入りし、短期間で高いリーチ力を示す。初回の拡大放送やファン向けリアルイベントなど多角的なアプローチが功を奏している。音楽ジャンルではYOASOBIが注目を集めている。K-POPアーティストの躍進が目立ち、支出喚起力ランキングでの1位獲得。ファン向けの多様な接点設計が支出を促進している。
コラボ引っ張りだこの「鬼滅」タイアップ多数のYOASOBI…消費者リーチ力ランキング、アニメ系が独占=博報堂

博報堂DYホールディングスなどからなる調査機関「コンテンツビジネスラボ」が19日に発表した「コンテンツファン消費行動調査2024」によると、アニメコンテンツがリーチ力において突出した存在感を示していることがわかった。

同機関が取りまとめたレポートによると、生活者のコンテンツへの支出金額は79,103円となり、2011年の調査開始以来2番目に高く、直近10年では最高額となった。背景にはグッズ、コマース等の成長があるほか、コロナ収束後のリアルイベント市場の活況が挙げられ、同市場の推定規模は1兆円を超えた。

そして、コンテンツがどれだけの生活に触れられるか「リーチ力」については上位20コンテンツがランキングとして公表され、そのうち13作品がアニメ作品を占めた。さらに、『鬼滅の刃』が2年連続で1位を獲得したことがわかった。

マンガ原作として2019年からアニメシリーズが始まった同作、本年5月からは新作アニメが放送されるとアニメシーンを席巻し、現在三部作の劇場版新作の制作が決定するなど、大きな話題を誘った。

アニメ化、ゲーム化といった多くのメディア展開が行われるなかで、人気度や知名度を活用したコラボレーションも引っ張りだこ。食品、洗剤、スマホゲームなど、業界を問わない幅広いタイアップ展開を行っており、その多様なコラボレーションが高いリーチ力につながっていると分析されている。

同ランキングには7つもの新規コンテンツがランクインした。『【推しの子】』『薬屋のひとりごと』『葬送のフリーレン』など2023年に放送された作品も多く、短期間で高いリーチ力を獲得した。

これらの作品は原作の高い人気はさることながら「初回90分拡大」「金曜ロードショーで3話連続」といった初回での接点作り、デジタルプラットフォームでの幅広い配信、そしてファン向けリアルイベントの開催まで、多角的ななアプローチが奏功したようだ。

アニメとも接点ある音楽ジャンルでは、YOASOBIが高いリーチ力を示し、アニメとのコラボレーションも含む多数のタイアップ展開で注目を集めている。

また、生活者のうち関心ある層がどれだけ支出しているかを推測した「支出喚起力」ランキングでは、K-POPアーティストの躍進が顕著となった。『SEVENTEEN』が1位、『Stray Kids』が3位にランクインし、K-POPが1位を獲得したのは調査開始以来初めてだという。

しばしば「ファンダム」とも呼ばれるK-POPアーティストのファンに向けては、CD販売やライブイベントだけでなく、オンライン投票イベント、オンラインミーティング、誕生日の応援広告出稿など、様々な接点が設けられている。こうした「推し活」の多様化に対応した体験設計が、高い支出喚起力につながっていると分析されている。