関西メッセージフォークの旗手、高石ともやさん死す 1968年「受験生ブルース」大ヒット、有森裕子さん名言「自分で自分をほめたい」〝生みの親〟

AI要約

フォークシンガーの高石ともやさんが病気のため82歳で亡くなった。

彼はランナーとしても活動し、有森裕子さんの名言「自分で自分をほめたい」の発案者だった。

高石さんはフォークの旗手として活躍し、多くの人々に愛された存在だった。

関西メッセージフォークの旗手、高石ともやさん死す 1968年「受験生ブルース」大ヒット、有森裕子さん名言「自分で自分をほめたい」〝生みの親〟

「受験生ブルース」で知られ、関西を拠点に活躍したフォークシンガー、高石ともや(本名・尻石友也=しりいし・ともや)さんが17日午後3時半、病気のため京都市内の病院で死去した。82歳だった。ランナーとしても活動し、1996年アトランタ五輪女子マラソンで銅メダルを獲得した有森裕子さん(57)の名言「自分で自分をほめたい」の〝生みの親〟。今年3月に行われたマラソン大会では弾き語りでランナーを応援していた。

ギターをかき鳴らして昭和、平成、令和を歌い続けた関西フォークの旗手が静かに旅立った。

19日朝、所属事務所が公式サイトで「高石はかねてより入院療養中でしたが、去る8月17日 82歳の生涯を閉じました。とても残念でなりません」と報告。葬儀は近親者で行い、後日お別れの会を開くという。

1941年、北海道出身。60年に立大文学部に入学後、ボブ・ディランらの歌を訳してフォークソングを歌い始めると、関西を拠点に活動。ギター1本の演奏にメッセージ性の強い歌詞を乗せるスタイルで人気を集め、フォークシーンをけん引した。

68年には、ボブ・ディランの「ノース・カントリー・ブルース」に、フォークシンガーの中川五郎(75)が受験生を題材にしたオリジナルの詞を書き、高石さんがコミカルな曲を付けた「受験生ブルース」が90万枚の大ヒットを記録した。

一方で、国内外のマラソンやトライアスロンの大会に参加するランナーとしても有名。ホノルルマラソンには77年から2019年まで43年連続で出場し、コロナ禍で3年ぶりに開催された22年にも81歳で出場した。

メッセージソングの先駆者の言葉は、アスリートの名言を生み出したことも。1996年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた「自分で自分をほめたい」は、有森さんが高校2年のとき、京都で行われた全国都道府県女子駅伝の前夜祭に来場した高石さんのあいさつがきっかけだった。

「人にほめてもらうよりも、まずは京都までやってきた自分自身をほめなさい」という言葉を、当時補欠だった有森さんが号泣しながらメモ。アトランタ五輪でメダルを獲得したとき、強くなった自分にかけてあげた-と後に語っており、それを知った高石さんも喜んでいたという。