清純派イメージ覆すチェ・ジウ 大都会の日常に潜む恐怖描く「ニューノーマル」 シネマプレビュー 新作映画評

AI要約

映画「ニューノーマル」は、ソウルを舞台にしたサスペンス作品で、6人の男女の日常生活に潜む恐怖を描いています。

一方、「アナウンサーたちの戦争」は、日本放送協会の責任を検証する戦争映画で、和田信賢らNHKアナウンサーたちの苦悩をドラマチックに描いています。

両作品ともに16日から公開で、それぞれのテーマや登場人物の葛藤が見どころです。

清純派イメージ覆すチェ・ジウ 大都会の日常に潜む恐怖描く「ニューノーマル」 シネマプレビュー 新作映画評

公開中の作品から、映画担当の記者がピックアップした「シネマプレビュー」をお届けします。上映予定は予告なく変更される場合があります。最新の上映予定は各映画館にお問い合わせください。

「ニューノーマル」

ソウルを舞台に、6人の男女の何げない日常に潜む恐怖を描いたサスペンス。Kホラーの巨匠と呼ばれるチョン・ボムシク監督の最新作。

登場するのは、女性ばかりを狙った連続殺人事件が世間をにぎわす中、マンションで一人暮らしをする女性、理不尽なクレーマーや横柄な客の対応に疲弊しているコンビニのバイト、困っている高齢者を助けてあげる中学生ら、大都会の中で目立たず静かに暮らしている人々だ。そんな彼らが体験する恐怖とは…。

「事実は小説よりも奇なり」という言葉があるが、韓国では「現実は映画よりも映画のようだ」という表現もよく使われる。本作はまさにその逆の印象。虚構の世界を描いた映画なのに、なぜか自分自身の身近なところで実際に起きそうな現実感が迫ってくる。

タイトルも、直訳すれば「新しい常態」。これまで非日常と思えていたものが、日常になっているということだろうか。韓流ドラマで見せた清純派ヒロインのイメージを覆す役を演じたチェ・ジウなど、キャスティングもさえている。韓国映画。

16日から全国順次公開。1時間53分。(啓)

「アナウンサーたちの戦争」

先の大戦でラジオ放送を通じて国民の戦意高揚などを図った日本放送協会の責任を検証する戦争映画。「伝説のアナウンサー」と呼ばれた和田信賢らNHKアナウンサーたちの苦悩を、実話に基づきながら極めてドラマチックに描く。

独特のアウトローな雰囲気を身にまとった和田アナを、森田剛が巧みに演じる。森田が和田を破天荒に演じれば演じるほど、その和田をして戦争に絡めとられていく悲劇的な苦悩がより一層、色濃く表現される。

昨年、NHKが放送した同名ドラマの劇場版で、監督は同局の一木正恵チーフディレクター。この時期に必見の作品といえる。

16日公開。1時間53分。(健)