《地面師たち》ハリソン山中よりも狡猾、Netflix「テレビ局切り崩し作戦」の実態…「高額ギャラで引き抜き」「2年も持たない」関係者が暴露

AI要約

Netflixが国内再生ランキングで首位を獲得しているオリジナルドラマ『地面師たち』を含む複数のヒット作品が話題となっている。

Netflixがテレビ局のクリエイターたちの引き抜き作戦を展開しており、有力プロデューサーの退社劇が注目を集めている。

Netflixは世界規模で話題作を量産し、日本国内でもテレビ局に対抗する独自の戦略を展開している。

《地面師たち》ハリソン山中よりも狡猾、Netflix「テレビ局切り崩し作戦」の実態…「高額ギャラで引き抜き」「2年も持たない」関係者が暴露

『忍びの家』『シティハンター』『地面師たち』……。いずれも動画配信サービスで今年公開されたオリジナルドラマだ。特に7月に配信された『地面師たち』は封切直後から国内再生ランキングで1位を獲得。依然として首位をキープしている。

前編記事『大ヒット「地面師たち」に芸能事務所がなぜか戦々恐々…「製作費は1話1億、その代わりスケジュールはすべて空けろ」Netflixが突きつける《常識破りの戦略》』につづき、動画配信サービスの雄「Netflix」が秘密裏に行っているテレビ局員らの切り崩し作戦、そして過酷なネット配信の現実を詳しくお伝えする。

アメリカ・カリフォルニア州に本社を置くNetflixは世界規模でも話題作を連発。韓国の『イカゲーム』『ナルコの神』、アメリカではティム・バートンが監督・総指揮を務めた 『ウェンズデー』や実在した殺人鬼の半生を描いた『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』、麻薬戦争を描いた『ナルコス』シリーズもその一つに挙げられる。

今年4月の決算で発表された世界の総加入者数は約2億7000万人。日本の総人口のおよそ2倍に当たる数だ。

世界規模での快進撃を続けるNetflixが今、日本国内で行っているのがキー局が抱えるクリエイターたちの引き抜き工作だという。テレビ局関係者が語る。

「今、Netflixが水面下で行っているのがテレビ各局の敏腕クリエイターの切り崩しです。会社の垣根を超え、名のある制作陣に接触し、『うちで作品を作らないか』と絶えず声をかけている」

その一端が垣間見えたのが今年6月に明らかになった人気プロデューサー・磯山晶氏(56)のTBS退社情報だった。磯山氏は大ヒットドラマ『不適切にもほどがある!』を担当するなど民放ドラマの第一線に立つ人物として知られている。

「磯山氏は『ふてほど』の他にも『池袋ウエストゲートパーク』や『木更津キャッツアイ』などを手掛けた業界きっての名物P。特に作家の宮藤官九郎とは旧知の仲で知られています。ヒットメーカーの退社は局内でも衝撃的でした」(制作会社幹部)

この退社劇を演出したのがNetflixだ。今年7月には磯山氏がNetflixと5年間にも及ぶ配信契約を結んだことを発表。今後、磯山氏はドラマや映画製作の舞台をテレビ局からネット配信へと移すこととなった。

「磯山さんはあくまでTBSの社員という立場だった。時間的な拘束が長いNetflixで作品制作を行うには退社する必要があった。とはいえ5年という期間はNetflixの中でも異例。敏腕な磯山さんだからこそ実現した契約だと思います」(前出・制作会社幹部)

だが、Netflixにより手招きは磯山氏だけとは限らない。

「今もなお他の有力プロデューサーらにリクルートをかけている。提示するギャラも破格。プロデューサーの場合、ドラマや映画を撮るごとに製作費とは別で4000万~6000万ほどを提示している。無論、キー局では絶対に払えない給料です」(前出・テレビ局関係者)

局員たちも魅力的な金額にさぞ心が揺れ動いていると思いきや、その受け止めは思いのほかシビアだという。