北村匠海の転機は12歳の時、土屋太鳳や松岡茉優も出演した伝説の学園ドラマ「僕らは考え方がちょっと似ている」

AI要約

俳優としてだけではなく、4人組バンド「DISH//」のボーカル・ギター担当としても活躍中の北村匠海。最近の活躍や役割、過去の経験について語っている。

北村匠海が芸能界入りしたのは小学生の頃で、20年近く経っている中で影響を受け、演技についての考え方が変わってきた。

『鈴木先生』への出演が彼にとって重要な転機となり、共演者との縁が続いていることを語っている。

北村匠海の転機は12歳の時、土屋太鳳や松岡茉優も出演した伝説の学園ドラマ「僕らは考え方がちょっと似ている」

 俳優としてだけではなく、4人組バンド「DISH//」のボーカル・ギター担当としてアーティストとしても活躍中の北村匠海。最近では大人気コミックの実写化『幽☆遊☆白書』の浦飯幽助役、地上波でのドラマ『アンチヒーロー』(TBS系)での正義感の強い若手弁護士・赤峰柊斗役が好評、来年度前期NHK連続テレビ小説『あんぱん』への出演も決まっている。そして、『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』ではゲスト声優を担当。北村匠海にとっての転機“THE CHANGE”に迫る。【第1回/全4回】

 ありふれた言い方だが、いわゆる”好青年”というイメージの北村さん。その、身にまとった落ち着いた雰囲気や発せられる言葉の端々から26歳とは思えぬ落ち着きぶりが感じられる。事実、北村さんが芸能界入りしたのは小学生の頃だから、それから20年近く経過している。その時間の中で北村さんが影響を受けてきたものは少なくない。北村さんもデビュー間もない頃は、「監督に怒られないように」という気持ちで仕事に取り組んでいたそうだ。

「やっぱり、当時は子供だったので、仕事としての感覚もあまりなくて、どうして注意されているのかよく分かってなかったんでしょうね。僕は元々、テレビの中の世界に憧れて、この世界に入ったというわけではなかったので、芝居というものが全然理解できていなかった。でも、オーディションというものが楽しかった。漠然とですが、その楽しいという感情だけはあったんです。出演させていただいた作品で、自分が出来なくて、注意されて……という感覚。それが撮影現場に対してのイメージでしたね」

 しかし、そんなイメージが変わってきたのは、ドラマ『鈴木先生』(2011年・テレ東系)への出演だったと言う。中学で国語の教師をしている鈴木先生が独特のメソッドで勃発する様々な問題を解決していく姿を描いた学園ドラマで、鈴木先生役を長谷川博己が演じ、北村さんは出水正という生徒に扮していた。

「生徒役の中には、土屋太鳳さん、松岡茉優さん、三浦透子さんもいたんです。『鈴木先生忘年会』みたいなのがあったりすると色々、懐かしい話が出てきて楽しかったんですけど、やっぱり、あの『鈴木先生』で育った僕らは考え方がちょっと似ているというか。頭で考え過ぎちゃうんですよ。だから、毎日、常にディベートして生きてたようなところがありましたね。実は、その前に小学校を舞台にした『ブタがいた教室』(2008年)という映画に出演させていただいたんですが、その時は、まだ小学生だったので、撮影現場で遊んでいた感じだったんです。台本も無かったですし。だから、僕らがアドリブで喋っていることに対して前田哲監督がOKを出していくというスタイルの現場だったんです。僕らが、小学生として遊ぶというのが『ブタ』で、逆に、中学生になりその役をまっとうすることを学んだのが『鈴木先生』でした。『鈴木先生』で作品を愛するということを学び、またいつか共演させていただきたいと、当時12歳なりに思っていましたね」

 その後、長谷川博己とは映画『セーラー服と機関銃 卒業』(2016年)、そして今春放映されたドラマ『アンチヒーロー』で共演し、その思いを成就した。

北村匠海(きたむら・たくみ)

1997年11月3日、東京都生まれ。2008年公開された映画『DIVE』で映画デビュー。2009年に放映された『太陽と海の教室』でテレビドラマ初出演を果たす。2017年に公開された映画『君の膵臓を食べたい』で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめとする数々の新人賞を受賞。近年の出演映画に『とんび』、『法廷遊戯』、『東京リベンジャーズ』シリーズ、声の出演では『ぼくらの7日間戦争』、『かがみの孤城』、ドラマでは『星降る夜に』、『アンチヒーロー』などがある。

鈴木一俊